228 17の変わり者動詞には友だちがいた! elles ne parviennent pas à s’imaginer cette maison.

動詞

やっかいな友だち

これで3回目になる長いフレーズを扱ってきましたが、今回で終わります。 

今回のキーワードは「parvenir(到着する/到達する)」。 

この動詞はこれまで3回ほどご紹介した「17の変わり者動詞」には入らないものの、お友だちなのです。 

理由とともにご紹介しますね! 

このフレーズの場所と背景

では、単語に入る前に、今回のフレーズ「elles ne parviennent pas à s’imaginer cette maison.」の場所と背景を確認しておきます。 

このフレーズは、第4章の中ほどにあります。 

第4章の3枚目の挿絵のすぐ後の段落にあるフレーズで、語り手の男性による説明部分です。 

「elles ne parviennent pas」

「elles」は「彼女たち」「それら」、「parviennent」は動詞「parvenir」の活用形(現在形)です。 

「parvenir à ~」で「~に到着する」「~に到達する」という意味です。 

ここでは「parvenir à +(動詞の原形)」の形で「(どうにか)~し遂げる」という意味になりますが、「ne ~ pas」の否定表現を伴なっています。 

「à s’imaginer cette maison」

ここでの「à」は「parvenir à +(動詞の原形)」の一部、「s’imaginer」もその影響で原型になっています。 

「s’imaginer」は、「心に思い描く」という意味です。 

「cette」は、「これ(それ・あれ)」を意味する「ce」の女性形単数です。 

「maison」は「家」を意味する女性名詞です。 

背景を見てみると

語り手の男性は、王子さまの星だと考える小惑星、B612の発見にまつわる話しから、大人たちの性質へと、話題がシフトしています。 

大人たちは物事の本質を見ようとしないので、例えば新しい友だちについて話すなら、その人の年齢や体重、果ては父親の収入など、数字にしか興味がありません。 

これは人に関することだけでなく、モノについても同じことです。 

その例として、大人たちに言っても理解されない表現で、ステキな家の様子が語られるのですが、今回の扱うのはその終わりにある部分です。 

このフレーズの全体は、「J’ai vu une belle maison en briques roses, avec des géraniums aux fenêtres et des colombes sur le toit…elles ne parviennent pas à s’imaginer cette maison.」です。 

これを3回に分けてご紹介していて、始めの部分「J’ai vu une belle maison en briques roses,」は第226回で、中ほどの部分「avec des géraniums aux fenêtres et des colombes sur le toit…」は第227回でご紹介しているので、ご参照ください。 

ここでの「elles」

さて背景からわかる通り、ここでの「elles(彼女たち/それら)」は、「les grandes personnes(大人たち)」のことです。 

複数女性形になっているのは、「les grandes personnes(大人たち)」のうちの名詞部分「personnes」が複数の女性名詞だからです。 

辞書を見ると「elles」は「彼女たち」になっていますが、「大人たち」が代名詞になったものなので、この部分を訳すとしたら「彼ら」になります。 

「elles」に限ったことではありませんが、フランス語の代名詞の性は、元の名詞が男性名詞か女性名詞かによります。 

女性ばかりのグループだから「elles」になったわけではないんですよね! 

「s’imaginer」

ところで先ほど、「s’imaginer」は「心に思い描く」という意味だとご紹介しました。 

本来は「se」+「imaginer」のところ、「imaginer」が母音から始まっているのでこの形「s’imaginer」になっています。 

「se」のつかない「imaginer」は「想像する」「思う」「考える」という意味です。 

「s’imaginer」を別々に覚えなくても、「se」の部分(今回のフレーズなら「s’」)を「自分」と捉えることで、「自分に想像させる」つまり「心に思い描く」になります。 

詳細については、このシリーズの第140回でご紹介していますので、参照してください。 

「parvenir」 

そして今回のキーワード「parvenir(到着する/到達する)」。 

これはこのシリーズ第198回第200回第207回でご紹介した「17の変わり者動詞」には入っていないものの、お友だちです。 

「17の変わり者動詞」というのは、私が勝手に命名したものですが、過去を表す時に「être」を使う17の動詞のことです。 

下の表をご覧ください。 

「parvenir」は「venir(来る)」と同じ扱いをされているのでお友だち。 

この中には入れてもらっていませんが、過去を表す時には「être +(過去分詞)」の形になります。 

動詞 意味 登場回 
Devenir   
Revenir 再び来る/戻ってくる 第200回 
Monter   
Rester   
Sortir   
Venir 来る 第200回 
Aller 行く 第207回 
Naître    
Descendre   
Entrer   
Rentrer   
Tomber 倒れる/転ぶ/落ちる 第198回 
Retourner   
Arriver   
Mourir   
Partir   
Passer   
17の変わり者動詞

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シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。 

下のリンクのクリックでこの記事に該当するエピソードに飛びますので、発音の確認などにお使いくださいね!

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