それぞれに別の名前が…
フランス語の動物の名前は、本当にややこしいです。
基本になるのはオスの名前ですが、その動物のメスが女性形になるだけのこともあれば、まったく別の名前になることがあります。
そして同じ動物の子どもにも、さらに別の名前が存在します。
つまり1種類の動物なのに、3つの別の名前をすべて覚えなければならないのがフランス語なのです。
そこで、この負担を少しでも軽くしようと考え、できるだけイメージしやすく、会話の中で使われることが多いフレーズで、基本形のオス・メス・子どもの名前を、動物ごとにご紹介します。
その第11回目は、クマです。
フランス語のクマ
まず、クマの3種類の名前をご紹介します。
- un ours(オス/総称)
- une ourse(メス)
- un ourson(子ども)
クマは基本形のオス「ours」が子音「s」で終わっていますが、この「s」は例外的に発音されます。
メスは、スペルとしては語尾に「e」を加えるのですが、人によってはオスの「ours」とあまり発音が変わりません。
クマはオスの「ours」で語られることがほとんどで、母グマなどの文脈でない限りは、あまりメスの形は登場しません。
子どもは「ours」から「ourson」になり、オス・メスにかかわらず、男性名詞になります。
いろいろなクマ
クマが登場する例文を挙げておきます。
- Il ne faut pas vendre la peau de l’ours avant de l’avoir tué.
(捕らぬタヌキの皮算用)
- C’est un ours mal léché.
(無作法な人・ぶっきらぼうで社交性のない人)
- Mon petit ourson !
(私の愛しい人!)
などがあります。
クマはいないが…
例文1「Il ne faut pas vendre la peau de l’ours avant de l’avoir tué.(捕らぬタヌキの皮算用)」は、直訳すると「クマを仕留める前に、その毛皮を売ってはいけない」になります。
まさに「捕らぬタヌキの皮算用」ですよね?
例文2の「un ours mal léché(無作法な人・ぶっきらぼうで社交性のない人)」という言い方は、直訳すると「ちゃんと舐めてもらっていないクマ」になります。
これはフランスではかなり昔からある表現です。
「子どもの頃にきちんと母親に舐めてもらっていたクマ」というイメージが、「ちゃんとした家庭教育を受けた人」につながっています。
つまり「ちゃんと舐めてもらっていないクマ」は「まともな家庭教育を受けていない人」ということ。
クマの持つ「大きく、重く、少しぶっきらぼう」なイメージが反映されているようです。
それに対し、子グマは愛くるしいイメージそのものです。
例文3の「Mon petit ourson !(私の愛しい人!)」は、自分の子どもや親戚・近所の子どもなどに呼びかける時にフランス人がよく言います。
直訳すると「私のかわいい(小さい)子グマちゃん!」なのですが、子どもが相手だとこれが口ぐせになっている人が時々いて、「Mon petit ourson !(私のかわいい子グマちゃん!)」とか、「Mon petit canard !(私のかわいいカモちゃん!)」などと連呼するのです。
フランス人特有の愛情表現で、少し大きくなった子どもなどは、いやがってはいても、ちょっぴりうれしそうだったりします。
この3つの例文は、和訳すると、どれもクマが消えていますね。
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