意味の広がりや違いを感じよう!
日本で広く使われている外来語には、フランス語由来のものが少なくありません。
外来語があることでフランス語の単語が覚えやすくなる反面、本来の意味が抜け落ちたり、変わってしまうことすらあります。
外来語・元の単語の両方を知って、意味の広がりや違いを感じてください。
第45回目は、「デリケート」です。
日本語の「デリケート」
日本語の「デリケート」はフランス語由来の外来語です。
ただし発音は英語に近く、語源がフランス語であることは間違いありませんが、英語を経由して日本語の外来語になったとも考えられます。
「デリケート」は、「デリケートな肌」「デリケートな人」のように使われて、壊れやすい・傷つきやすい、または感じやすいといった性質を表します。
「彼はデリケートだ」などと言うことがありますが、文脈によって肯定・否定のどちらにもなります。
- デリケート①「壊れやすい・傷つきやすい」
- デリケート②「感じやすい」
フランス語の「délicat」
フランス語の「délicat」は、「扱い・判断・対応が難しい」という意味で使われます。
日本語の「デリケート」が主観的で感覚的になりやすく、性質を表すのに対して、フランス語の「délicat」は客観化・抽象化されやすく、性質よりも評価や判断を表します。
フランス語の「délicat」の使い方をまとめると、
- délicat①「扱いが難しい」
- délicat②「判断が難しい」
- délicat③「対応が難しい」
ということになります。
いろいろな「délicat」
「délicat」の例文を挙げておきます。
- C’est délicat.
(ちょっと微妙だ/扱いが難しい)
→ délicat①「扱いが難しい」
- La situation est délicate.
(状況が微妙だ/対応が難しい状況だ)
→ délicat③「対応が難しい」
- C’est délicat de refuser.
(断るのは難しい/断るのは気を遣う)
→ délicat②「判断が難しい」
などがあります。
辞書について
ところで、フランス語の「délicat」を辞書で引くと、今回挙げたものよりもたくさんの意味が出てきます。
そのため、日本語の「デリケート」とあまり変わらないような印象を持ってしまいがちです。
でも実際のフランス語会話の中で「délicat」を使う場面は、「扱い・判断・対応が難しい」という意味以外では、そう多くはありません。
辞書に書いてある「délicat」の意味の大部分は、昔の文学作品であったり、ちょっと古風な言い方であるなど、歴史的な用法であることがほとんどだからです。
現代フランス語では他の単語で言い表すことが多いので、日本語の「デリケート」の代わりにフランス語の「délicat」を使ってしまうと、たとえ意味が通じることはあっても、かなり不自然な言い方に聞こえてしまいます。
日常会話の中で「デリケート」イコール「délicat」になることは、かなり稀だと覚えておいてくださいね!


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