けなしてはいないけれど…
今回のフレーズは、日常会話の中でも、そのままでよく使われる表現です。
相手の言うことに驚いたり、価値観が合わなかったりすると、私もいつの間にか言っていることも。
ただし8割方は、あまりいい意味ではないかもしれません。
このフレーズの場所と背景
では、単語に入る前に、今回の「Quelle drôle d’idée !」の場所と背景を確認しておきます。
このフレーズは、第3章の後半の中ほどにあります。
第3章では、王子さまと語り手の男性の会話が続き、中ほどと最後に2枚の挿絵があります。
今回のフレーズは2枚の絵のほぼ中間にあり、王子さまのセリフです。
「quelle」
「quelle」は、第25回で扱った「quel」の女性形・単数です。
基本的な意味は「どんな」「何の」「どの」で、疑問詞ですが、このフレーズにはクエスチョンマーク「?」がありません。
代わりにビックリマーク「!」がついているので、疑問詞ではなく、感嘆詞なのです。
意味は「何という」「なんて」です。
「感嘆のquel」と聞くと、ほめているイメージが強いのですが、ネガティブな表現にも使われます。
「drôle d’」
「drôle + de +(名詞)」で、「妙な~」「変な~」になります。
後ろにつく名詞の姓や数は、「drôle」の前につく単語に影響します。
このフレーズの場合は、「drôle」の前に「quelle」があり、「quelle」が女性形単数なのは、後ろにある「idée」が女性名詞単数だから、ということです。
なおここでは、後ろの「idée」が母音から始まっているため、「d’」という形になっています。
「drôle」
「drôle」は第10回でご紹介済みですが、形容詞で、「こっけいな」「愉快な」「奇妙な」「変な」という意味です。
「de」
「de」は前置詞で、いろいろな使い方がされます。
ここでは「drôle」と一緒に使われることで、名詞を導いています。
「idée」
「idée」は女性名詞単数で「考え」「意見」「アイデア」などという意味です。
ヘンなのは…
今回のフレーズ「Quelle drôle d’idée !」は第3章の後半にあるのですが、この章でも王子さまは、驚いたり喜んだりしています。
ここで「Quelle drôle d’idée !」と言っているのは、語り手の男性が提案した「羊をつなぐ」ことに対してです。
この会話は、だだっ広い砂漠のまんなかでのことなので、羊が迷子になるのを心配するのは当然。
王子さまの頭の中には、自分の小さな星のことしかないのでしょうね。
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シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。
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