若者言葉から昇格した略語
フランス語で話していると、仏和辞書などには載っていないような言葉も耳にします。
元は若い人たちが仲間内で使っていた略語などがほとんどですが、時間とともに社会的にも認知されて、多くの人が使うようになった言葉です。
かしこまった場では使わなくても、仲の良い同僚となら使う程度の略語や派生語などを中心にご紹介します。
今回はその第31回目「neuro」です。
「neuro」とは?
「neuro」とは、「neurologue(神経科医)」または「neurologie(神経科)」のことです。
「neurologue」の場合は「神経科の医師」、「neurologie」なら「診療科としての神経科」という意味なのですが、「neuro」はどちらの意味にもなります。
使われているのが医師としての「neuro」なのか、診療科としての「neuro」なのかは、文脈で判断することになります。
つまり2025年4月7日配信の【フランス語のフレーズ】日常会話で使う略語㉘で扱った「dermato」などと同様です。
使用例
「neuro」を使ったフレーズには、次のようなものがあります。
- Le neuro a demandé un examen supplémentaire.
(神経科医が追加の検査を求めた)
- Il est suivi en neuro.
(彼は神経科で診察を受けている)
最初のフレーズで追加の検査を求めた「le neuro」は「神経科の医師」、次のフレーズ「en neuro」は「診療科としての神経科」のことを指しています。
目上の人や顧客相手なら?
「neuro」という言い方はかなり以前からあり、フランス人ネイティブで知らない人はいないと思います。
でも目上の人や顧客相手なら「neuro」とは言わず、本来の言い方をした方がいいかもしれません。
その場合は、「neurologue(神経科医)」と「neurologie(神経科)」を区別することになります。
つまり前述の2つのフレーズは、次のようになります。
- Le neuro a demandé un examen supplémentaire.
→ Le neurologue a demandé un examen supplémentaire.
(神経科医が追加の検査を求めました)
- Il est suivi en neuro.
→ Il est suivi en neurologie.
(彼は神経科で診察を受けています)
「être suivi」について
ところで、「être suivi」は「後を追う」「従う」「追跡する」などの意味の「suivre」の受動態です。
そして「être suivi」という受動態になると、「継続的に診察・フォローアップされている」という医療表現が特によく使われます。
「être suivi en ~」で「~で診察を受けている」という意味になります。
その一方、医療関係以外の場面では、まったく異なる使い方もあるのが、「être suivi」という受動態のおもしろいところです。
- Il est suivi par la police.
(彼は警察にマークされている。)
この場合は、「監視されている」という意味になります。
ずいぶんと印象が変わりますよね!
この記事を音声で聞くなら
この記事は、ポッドキャストでも配信しています。
下のリンクのクリックで該当するエピソードに飛びますので、発音の確認などにお使いくださいね!
コメント