若者言葉から昇格した略語
フランス語で話していると、仏和辞書などには載っていないような言葉も耳にします。
元は若い人たちが仲間内で使っていた略語などがほとんどですが、時間とともに社会的にも認知されて、多くの人が使うようになった言葉です。
かしこまった場では使わなくても、仲の良い同僚となら使う程度の略語や派生語などを中心にご紹介します。
今回はその第3回目「télé」です。
「télé」の変化
「télé」は「テレビ」を意味する女性名詞「télévision」のことです。
「télévision」が長いので、ただ単に短くしただけです。
日本語の「テレビ」も同じですが、フランス語はさらに短く「télé」にしたということですね!
なお「télé」の文法的な使い方は、元の単語「télévision」に準じます。
つまり「télé」も「télévision」同様女性名詞なので、不定冠詞単数をつける時は「une télé」、定冠詞単数をつける時は「la télé」になります。
複数の時は「les télés」のように語末に「s」をつけますが、発音は変わりません。
「télé」は効率が悪い?
フランス語で「télé」と言えば、テレビ以外のモノを指すことはありませんが、「télé」から始まるフランス語は「télévision(テレビ)」だけではありません。
現在でもよく使われるものには「télécommande(リモコン)」「téléphone(電話)」があります。
日本ではまだまだ現役ですが、フランスではまず見かけなくなった「télécopieur(ファックス)」もあります。
特殊な場面以外では使われることのない「télégramme(電報)」というのもあります。
私はフランスに来てから「télé」という言葉を知りましたが、今でも、なぜ日本語のように「télévi」にしなかったんだろうと思います。
「télé」を「télévi」にしておけば、他の「télé」から始まる言葉も略語にできたのではないかと思うのです。
今でも使う「télé」のつく言葉
現在でも使う「télécommande(リモコン)」「téléphone(電話)」はそのままのことが多いです。
一部の人たちの間では略語ができているかもしれませんが、少なくとも社会的に認知されるまでにはなっていません。
ちなみに、「télécommande(リモコン)」という単語は、テレビのリモコンに限りません。
例えばクーラーのリモコンなどにも使います。
そして「téléphone(電話)」に関しては、「téléphone fixe(家の電話)」「téléphone portable(携帯電話)」と言います。
「téléphone portable(携帯電話)」は、「portable」にすると、日本語の「ケータイ」に相当します。
「télé」の使用例
「télé(テレビ)」を含むフレーズとしては、「On regarde quoi à la télé ce soir ?(今晩テレビで何を見る?)」などと言います。
「テレビで」の意味で「à la télé」と言うのは、「télé」が女性名詞なので、定冠詞の女性形を伴なうからです。
定冠詞つきで覚えよう!
現在日本語で「テレビジョン」という言い方をする人は、まずいないと思います。
フランス語だと「télévision」と言う人もたまにはいますが、少しかしこまった言い方に聞こえます。
「télé」と言う方が一般的で、ごく普通です。
ほぼ必ず定冠詞をつけて「la télé」にするので、この形で覚えておく方が実際の会話で使いやすくなります。
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