フランス語で話す準備を!
これまで3回にわたって長いフレーズを扱ってきましたが、4回目の今回が最後です。
こうした長いフレーズの場合、日本語との違いで後ろから和訳することが多くなります。
フランス語で会話するなら、フランス語で考えて話すことになるので、練習しておきましょう!
このフレーズの場所と背景
では、単語に入る前に、今回のフレーズ「quand ils sont très jeunes.」の場所と背景を確認しておきます。
このフレーズは、第5章の中ほどにあります。
第5章2枚目の挿絵から3つ目にあるフレーズの一部で、王子さまのセリフです。
「quand ils sont très jeunes」
「quand」は疑問詞として使われる時は「いつ」という意味ですが、ここでは「?」がないので、接続詞としての使い方です。
その場合は「~する時に」「~するたびに」という意味になります。
「ils」は「彼ら」「それら」、「sont」は「être」の活用形(現在形)です。
「très」は「とても」を意味します。
「jeunes」は形容詞「jeune」の複数形です。
「(人・動植物が)若い」「(人が)若々しい」「(人が)未熟な」「(モノ・事柄が)新しい」という意味になります。
背景を見てみると
語り手の男性は一般論として、植物がどのように地上に姿を現すのかを説明しています。
地上にいる私たちからは見えない、土の中に眠っている種には、よい植物のよい種と、悪い植物の悪い種があります。
王子さまの星には、恐ろしい種が存在しており、それはバオバブの種でした。
バオバブへの対処を怠れば、最悪の場合には星の滅亡につながってしまいます。
今回扱うのは長いフレーズの最後の部分です。
フレーズの全体は:
「Il faut s’astreindre régulièrement à arracher les baobabs dès qu’on les distingue d’avec les rosiers auxquels ils ressemblent beaucoup quand ils sont très jeunes.」
ここでの「ils」
まず今回扱う部分の主語である「ils」について確認しておきます。
「ils」は複数男性形なので、男性名詞の複数形を指しています。
具体的には、このフレーズの始めの部分にある「les baobabs(バオバブ)」のことです。
なので今回扱う部分は、「それら(バオバブ)がとても若い時には」という意味になります。
フランス語で考えよう!
さて冒頭でも触れましたが、フランス語で実際にコミュニケーションを取る場合には、日本語で考えてフランス語に訳して話したり、聞いたフランス語を和訳して理解したりというのは、かなり無理があります。
今回までの長いフレーズは、4つの節(フレーズの中の小さな文章)ごとに分けて1回ずつご紹介してきました。
フレーズの後ろから和訳するのではなく、この4つの節を順番に振り返りながら、フランス語で考えるクセをつけていきましょう!
1回目:第272回
長いフレーズの初回は、このシリーズの第272回でした。
「Il faut s’astreindre régulièrement à arracher les baobabs」は、「バオバブは努めて定期的に根扱ぎにしなければならない」ということですね。
和訳するとバオバブが主語のように思うかもしれませんが、行動の主体は人、つまりこのセリフを言っている王子さまです。
フランス語は基本的に、まず大事なことや結果などを先に提示します。
「バオバブを根扱ぎにしなければならない」というのが、このフレーズの一番言いたいことです。
2回目:第273回
長いフレーズの2回目は、このシリーズの第273回でした。
「dès qu’on les distingue d’avec les rosiers」は、「それら(バオバブ)をバラの木と区別するとすぐに」になります。
もうすでに一番言いたいことは言っているので、ここからはそれ以外の情報です。
この部分では、「バオバブを根扱ぎにする」タイミングを述べています。
3回目:第274回
長いフレーズの3回目は、このシリーズの第274回でした。
「auxquels ils ressemblent beaucoup」は、「(バラの木は)それら(バオバブ)に非常に似ている」です。
この部分では、「バオバブを根扱ぎにする」ことの難しさを述べています。
困難が伴うことを知らせることによって、「バオバブを根扱ぎにしなければならない」ということが強調されています。
4回目:今回
そして今回が長いフレーズの最終回です。
「quand ils sont très jeunes.」は、「それら(バオバブ)がとても若い時には」ということですね。
この部分では、直前にある難しさの補足説明をしています。
こうして節ごとの内容がつかめたら、再度フランス語だけを見て理解を試みます。
このようなトレーニングをしていくことで、フランス語で考えるクセがつきます。
長いフレーズはチャンスと捉えて、頑張ってくださいね!
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シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。
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