フランス人のこだわり
フランス人と話していると、しばしば「million(100万)」という単語を耳にします。
1万や10万ではなく100万ですし、1000万や1憶でもないのです。
なぜ100万が好まれるのかを、例文とともにご紹介します。
なぜ100万が好き?
なぜフランス人は100万が好きなのか、あくまでも私見にすぎませんが、結論から申し上げると、「切りのいい数字だから」だと思います。
「100万」をアラビア数字で書くと「1,000,000」でゼロが6つですが、3ケタごとにカンマを打つので、切りのいい数字なのです。
ただしフランス語の数字表記の場合は、「1,000,000」のようにカンマを打つのではなく、「1.000.000」のようにピリオドを打ちます。
なぜ切りがいい?
なのでここからはフランス語表記の「1.000.000」として100万を表示しますが、最初にピリオドを打つことになる「1.000」はフランス語のアルファベット表記で「mille」です。
フランス語で「1.000」から「1.000.000」をアルファベット表記にしてみると
1.000 | mille |
10.000 | Dix(10) mille |
100.000 | Cent(100) mille |
1.000.000 | Un(1) million |
やはり「1.000.000」は、切りのいい数字なのです。
(注)「mille(千)」は、複数になっても語尾に「s」がつきません。
『星の王子さま』の例文①
そのため、ブログ・ポッドキャストでシリーズ化している【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】の第327回では
「Il y a des millions d’années que les fleurs fabriquent des épines.」
(花は何百万年もトゲを作ってきた)
というフレーズを扱いました。
ここでの「des millions d’années(何百万年)」という言い方は、「とてつもなく長い間」という意味なので、何万年や何十万年でもよさそうなものですが、何百万年です。
『星の王子さま』の例文②
そして同じシリーズの第334回では
「Si quelqu’un aime une fleur qui n’existe qu’à un exemplaire dans les millions et les millions d’étoiles,」
(もしある人が何百万もの星にたった1輪しか存在しない花が好きなら)
というフレーズを扱いました。
こちらも「想像を絶するほど数多くの星」という意味で「les millions et les millions d’étoiles」と言っています。
「何百万と何百万の星」なのですから、千万か億単位になってもよさそうなものですが、百万にこだわっています。
100万と1億
これはやはり「100万が切りのいい数字だから」なのです。
日本語には、千の後に「万」という単位があり、4ケタごとに区切られています。
1万・10万・100万・1000万なので、日本人にとって100万は、切りのいい数字ではありません。
では日本人にとって切りのいい数字とは何かと言うと、やはり「1億」ですよね?
なので「億万長者」という言葉があるのではないでしょうか。
フランス人が「million(100万)」という言葉にこだわるのは、日本人にとっての億へのこだわりと同じなのではないかと思います。
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