違和感を解消しよう!
昨日(2025年1月28日)の配信で、「Comment allez-vous ?」や類似表現をご紹介しました。
フランス語会話のごく初期に習うフレーズなので、「Comment allez-vous ?」と聞かれた時に「Oui, je vais bien merci, et vous ?」と答えるようにと習った方が多いかもしれません。
私はこのやり取りを習った際に違和感があったのですが、「aller」という動詞の意味がわかるにつれて解消しました。
今回も、類似表現への返事を含めてご紹介します。
カギは動詞
「Comment allez-vous ?」や類似表現の意味は、「お元気ですか?」や「調子はいかがですか?」、場合によっては「お加減はいかがですか?」になります。
日本語でこう言われれば、「おかげさまで元気にしております」または「少々体調を崩しておりまして」といった返事をします。
フランス語でも似たような返事をしますが、これを言う時のカギとなるのが、「aller」という動詞です。
「aller(=行く)」は忘れよう!
「aller」は「行く」という意味が基本ですが、その他にもかなり異なる意味や使い方のある動詞です。
そのうちの1つに「(主語の)調子や状態がどうであるかを表す」という使い方があり、これがよくわかっていないと、なぜ「Comment allez-vous ?」の返事が「Oui, je vais bien merci, et vous ?」になるのかが腑に落ちないのです。
というより、そもそも「Comment allez-vous ?」がなぜ「お元気ですか?」などになるのかがわかりません。
前述通り、「aller」という動詞は「行く」という意味が基本で、この意味での使い方はたくさんありますが、「aller(=行く)」という関係は、一旦忘れましょう!
この関係を離れない限り、「Comment allez-vous ?」も、返事の「Oui, je vais bien merci, et vous ?」も、理解できないのです。
健康状態の言い方
では「(主語の)調子や状態がどうであるかを表す」という使い方としての「aller」は何かと言うと、「元気である」「体調がいい」「気分がいい」などの心身の健康状態が良好な時に「aller bien」を使います。
つまり「Comment allez-vous ?」というフレーズは、相手の調子や状態を「comment(どのように/どうやって)」という疑問詞を使って尋ねています。
そのため、自分の健康状態が良好なら「aller bien」を使って答えます。
- Je vais bien.
(元気です)
「aller」を単独で使う場合は、「bien(よい)」が省略されていると考えましょう。
- Ça va (bien).
(元気です/大丈夫です)
「体調がすぐれない」「具合が悪い」という場合は、否定形を使います。
- Il ne va pas bien.
(彼は具合が悪い)
「具合が悪い」の意味
なお、フランス人が「Je ne vais pas bien.」などと言うことはあまりありません。
もちろん人にもよるのですが、「Nathalie ne va pas bien.」の意味は「ナタリーはかなりの重病で、もう長くはないかもしれない」ということも多いのです。
風邪をひいた程度の体調不良の場合は、たとえセキこんでいたりしていても「Ça va, c’est un petit rhume.(大丈夫、ちょっとした風邪だから)」という人がほとんどです。
そのため「Comment allez-vous ?」の返事が、まるで判を押したように「Oui, je vais bien merci, et vous ?」になるのです。
2~3日熱を出した程度で具合が悪いとは言わない国民性だからこそ、お決まりの返事になっていると言えます。
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