それぞれに別の名前が…
フランス語の動物の名前は、本当にややこしいです。
基本になるのはオスの名前ですが、その動物のメスが女性形になるだけのこともあれば、まったく別の名前になることがあります。
そして同じ動物の子どもにも、さらに別の名前が存在します。
つまり1種類の動物なのに、3つの別の名前をすべて覚えなければならないのがフランス語なのです。
そこで、この負担を少しでも軽くしようと考え、できるだけイメージしやすく、会話の中で使われることが多いフレーズで、基本形のオス・メス・子どもの名前を、動物ごとにご紹介します。
その第13回目は、ウマです。
フランス語のウマ
まず、ウマの3種類の名前をご紹介します。
- un cheval(オス/総称)
- une jument(メス)
- un poulain(子ども)
ウマはオスで総称の「cheval」で語られることが多い動物です。
「cheval」の複数形は「chevaux」になりますので、注意してください。
メスは全く異なる形の「jument」になります。
子どもはさらに異なる形の「poulain」になり、オス・メスにかかわらず、男性名詞になります。
いろいろなウマ
ウマが登場する例文を挙げておきます。
- J’ai une fièvre de cheval.
(ひどい熱がある)
- Je suis coiffée comme une jument.
(髪がボサボサなの)
- C’est mon poulain.
(私の教え子だ)
などがあります。
ウマはいないが…
例文1「J’ai une fièvre de cheval.(ひどい熱がある)」は、直訳すると「ウマの熱がある」になります。
フランス語のウマは「パワー」「スタミナ」「大きさ」のシンボルとも言える存在なので、「ウマの熱」がひどい熱という意味になるのです。
そのため、「~ de cheval」という言い方が、よい意味でも悪い意味でも使われます。
「une force de cheval(怪力)」「un coup de cheval(強烈な一撃)」「un appétit de cheval(旺盛な食欲)」という具合です。
例文2の「être coiffée comme une jument(髪がボサボサ)」という言い方は、直訳すると「雌馬のようにセットされた髪」ですが、これはウマのたてがみのようにボサボサな髪の毛だという自虐的な表現です。
例文3の「C’est mon poulain.(私の教え子だ)」は、直訳すると「私の子馬だ」という意味ですが、「poulain(子馬)」には「期待の新人」というニュアンスがあります。
「私の教え子だ」と言っている師匠の、鼻高々な様子が目に浮かびます。
たてがみ = 髪がボサボサ!
例文2の「Je suis coiffée comme une jument.(髪がボサボサなの)」は、「雌馬のたてがみのように髪がボサボサ」と言っているわけですが、似たような表現はほかにもあります。
「Je suis coiffée comme un lion.」も、「ライオンのたてがみのように髪がボサボサ」で、こちらも本当によく使われます。
では、雌馬のたてがみとライオンのたてがみでは違いがあるのかというと、同じ「髪がボサボサ」でも、ニュアンスが違います。
雌馬の方は、髪がはねていたり、からまっていたりといった、ちゃんと整っていないボサボサ状態を表します。
それに対しライオンの方は、湿気で髪の毛がうわっと広がったような、髪の毛のボリュームが出すぎているといった、頭が爆発しているような状態を指します。
雌馬のたてがみ、ライオンのたてがみの両方を思い浮かべると、何となくその違いがイメージできるでしょうか?
どちらにしても、たてがみは、すなわち髪がボサボサ状態を表すというのは、雌馬やライオンにとっては気の毒な話しですよね!

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