意味の広がりや違いを感じよう!
日本で広く使われている外来語には、フランス語由来のものが少なくありません。
外来語があることでフランス語の単語が覚えやすくなる反面、本来の意味が抜け落ちたり、変わってしまうことすらあります。
外来語・元の単語の両方を知って、意味の広がりや違いを感じてください。
第9回目は、「ガレージ」です。
日本語の「ガレージ」
日本語で「ガレージ」と言うと、屋根・壁・シャッターなどのある「(閉鎖空間にある)駐車場」という意味です。
車1台分でも、たくさん駐車できる大きなものでも、車を入れる建物が「ガレージ」です。
フランス語由来ではあるものの、英語経由なので、発音は英語風ですよね。
- ガレージ「(閉鎖空間にある)駐車場」
フランス語の「garage」
フランス語でも、屋根・壁・シャッターなどのある「(閉鎖空間にある)駐車場」という意味で「garage」が使われます。
日本語同様、車1台分・複数台分に関わらず、車を入れる建物が「garage」です。
ただし「garage」には「車の修理工場・整備工場」という意味もあり、とてもよく使われます。
この意味での「garage」には派生語の「garagiste」もあり、「車の修理屋さん」といった意味です。
履歴書に書くような、職業の正式名称ではないのですが、話し言葉では本当によく使われます。
フランス語の「garage」の使い方をまとめると、
- garage①「(閉鎖空間にある)駐車場」
- garage②「車の修理工場・整備工場」
ということになります。
いろいろな「garage」
「garage」の例文を挙げておきます。
- Ma voiture est au garage.
(わたしの車は修理中だ)
→ garage②「車の修理工場・整備工場」
- Ma voiture est dans le garage.
(わたしの車は車庫にある)
→ garage①「(閉鎖空間にある)駐車場」
などがあります。
この2つのフレーズは前置詞の違いによるものだけです。
(「au」は前置詞の「à」と定冠詞の「le」が合わさったもの)
「au garage」なら修理工場「に」あるというという感覚なので、ということは修理中という意味になります。
「dans le garage」の方は、車庫の「中に」あるという感覚なので、場所の意味合いが強調される結果になり、日本語の「ガレージ」と共通の意味合いになるのです。
「ガレージ」の複合語に注意!
ところで、「家の車庫などで不要品を販売する」ことを「ガレージセール」と言うことがあります。
必ずしも「ガレージ」の中で売っているわけではありませんが、なんとなくお得なイベントの雰囲気がある言葉です。
前述通り、日本語の「ガレージ」は英語を経由しており、「ガレージセール」という言い方は英語から入っています。
フランスでも不用品の販売はよく行われているのですが、こうした意味で「garage」を使うことはありません。
不用品販売という意味なら、「屋根裏をカラに」という意味合いで「vide-grenier」と言います。
フランスの街なかには車庫のないアパートや家が多く、物置として重宝されているのは屋根裏スペースです。
不要なものが溜まる場所が違うからこそ、言い方も変わるようですね!
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