【フランス語のフレーズ】意味が狭まった外来語㊹コンテンポラリー

フレーズ

意味の広がりや違いを感じよう!

日本で広く使われている外来語には、フランス語由来のものが少なくありません。

外来語があることでフランス語の単語が覚えやすくなる反面、本来の意味が抜け落ちたり、変わってしまうことすらあります。

外来語・元の単語の両方を知って、意味の広がりや違いを感じてください。

第44回目は、「コンテンポラリー」です。

日本語の「コンテンポラリー」

日本語の「コンテンポラリー」は英語を経由していますが、語源はフランス語です。

「コンテンポラリー」は、「コンテンポラリーアート」「コンテンポラリーミュージック」「コンテンポラリーダンス」のような使い方にほぼ限定されます。

「現代的・前衛的」といった意味があり、現代芸術のジャンルを表す言葉です。

  • コンテンポラリー「現代的・前衛的」(現代芸術のジャンル)

フランス語の「contemporain」

フランス語の「contemporain」は、「同時代の・同じ時代に生きている」という意味で使われます。

「同じ時代である」ということが大切なので、過去のことにも使われますが、時間の基準を今にするなら、「現代」という和訳にもなり得ます。

ただし日本語の「コンテンポラリー」にあるような「前衛的」という意味は含まれず、あくまでも時間的な位置づけのみです。

つまりフランス語の「contemporain」は普通の形容詞であり、日本語の「コンテンポラリー」のように特殊なジャンルを指す専門用語ではありません。

フランス語の「contemporain」の使い方をまとめると、

  • contemporain①「同時代の・同じ時代に生きている」
  • contemporain②「現代」

ということになります。

いろいろな「contemporain」

「contemporain」の例文を挙げておきます。

  • Cet écrivain est contemporain de Victor Hugo.
    (この作家はヴィクトル・ユゴーと同時代だ)
    → contemporain①「同時代の・同じ時代に生きている」
  • C’est un artiste contemporain.
    (彼は現代の芸術家だ)
    → contemporain②「現代」
  • C’est une musique contemporaine.
    (これは現代の音楽だ)
    → contemporain②「現代」

などがあります。

頭を切り替えよう!

上記最初の例文「Cet écrivain est contemporain de Victor Hugo.(この作家はヴィクトル・ユゴーと同時代だ)」は、ヴィクトル・ユゴーという過去の作家を登場させることで、基準となる時間は「ヴィクトル・ユゴーが生きた時代」ということになります。

それに対し、2番目の例文「C’est un artiste contemporain.(彼は現代の芸術家だ)」と3番目の例文「C’est une musique contemporaine.(これは現代の音楽だ)」には、基準となる時間が示されていません。

このように特に説明されない場合は、基準が「今」になるので、「contemporain」は「現代」と訳されることがほとんどです。

ただし、2番目の「artiste contemporain(現代の芸術家)」は「今の時代に活躍している芸術家」という意味であって、日本語の「コンテンポラリーアート」が持つような「前衛的な芸術」の芸術家とは限りません。

そして3番目の「musique contemporaine(現代の音楽)」も同様で、日本語の「コンテンポラリーミュージック」や「現代音楽」という言葉には当てはまらないのです。

フランス語の「musique contemporaine」は「今の時代の音楽」というほどの意味なので、ジャズやポップスなども含まれることになるからです。

日本語の「現代芸術」や「現代音楽」に引きずられてしまうと、どうしても「前衛的」で「難解」というイメージがついて回ります。

頭の切り替えが必要ですね!

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