意味の広がりや違いを感じよう!
日本で広く使われている外来語には、フランス語由来のものが少なくありません。
外来語があることでフランス語の単語が覚えやすくなる反面、本来の意味が抜け落ちたり、変わってしまうことすらあります。
外来語・元の単語の両方を知って、意味の広がりや違いを感じてください。
第36回目は、「マニキュア」と「ペディキュア」です。
日本語の「マニキュア」と「ペディキュア」
日本語の「マニキュア」と「ペディキュア」は、両方ともフランス語由来の外来語です。
「マニキュア」は、主に 爪に塗る液体(ネイルポリッシュ液)そのもの を指します。
また「マニキュアをする」という言い方で、手の爪にネイルポリッシュ液を塗る行為を指します。
そして「ペディキュア」は主に「ペディキュアをする」という言い方で、足の爪にネイルポリッシュ液を塗る行為を指します。
- マニキュア「爪に塗る液体(ネイルポリッシュ液)」
- マニキュアをする「手の爪にネイルポリッシュ液を塗る」
- ペディキュアをする「足の爪にネイルポリッシュ液を塗る」
フランス語の「manucure」と「pédicure」
フランス語の「manucure」は女性名詞で、手や手の爪のケアを指す言葉です。
その語源は「手 + ケア」で、現在でもそのままの意味で使われています。
また「manucure」は、手や手の爪のケアを行う技師(ハンドケア技師)の職名でもあります。
なお、日本語の「マニキュア」の持つ「爪に塗る液体(ネイルポリッシュ液)」という意味は、フランス語の「manucure」にはありません。
そして「pédicure」も「manucure」同様、語源は「足 + ケア」です。
意味も足や足の爪のケアを指し、足や足の爪のケアを行う技師(フットケア技師)の職名を兼ねています。
フランス語の「manucure」と「pédicure」の使い方をまとめると、
- manucure①「手や手の爪のケア」
- manucure②「ハンドケア技師」
- pédicure①「足や足の爪のケア」
- pédicure②「フットケア技師」
ということになります。
いろいろな「manucure」と「pédicure」
「manucure」と「pédicure」の例文を挙げておきます。
- Elle va au salon pour une manucure.
(彼女は手のケアをしてもらいにサロンに行く)
→ manucure①「手や手の爪のケア」
- La pédicure soigne mes pieds.
(フットケア技師が私の足をケアしてくれる)
→ pédicure②「フットケア技師」
- Elle met du vernis à ongles.
(彼女はマニキュアを塗る)
などがあります。
最後の例文は、日本語だと「マニキュアを塗る」ですが、このマニキュアが意味するのは「ネイルポリッシュ液」です。
ネイルポリッシュ液はフランス語で「vernis à ongles」と言います。
「vernis」は塗装などに使う「ニス」、「ongles」は「ongle(爪)」の複数形です。
フランスで湯治!?
現在のフランス語では「main(手)」「pied(足)」「cure(治療/療養)」になっています。
「manucure」と「pédicure」は文字通り、手や足の手入れのことなのです。
ちなみに、「cure thermale(温泉療養)」という言い方もします。
日本の温泉とは違い、温泉プールに水着で入るタイプですが、それでも温泉療養です。
医師が処方せんを出し、自炊できる設備に泊まりながら療養します。
スタイルこそ違いますが、日本に昔からある、湯治そのものですよね!
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