【フランス語のフレーズ】意味が狭まった外来語㉝テラス

フレーズ

意味の広がりや違いを感じよう!

日本で広く使われている外来語には、フランス語由来のものが少なくありません。

外来語があることでフランス語の単語が覚えやすくなる反面、本来の意味が抜け落ちたり、変わってしまうことすらあります。

外来語・元の単語の両方を知って、意味の広がりや違いを感じてください。

第33回目は、「テラス」です。

日本語の「テラス」

日本語の「テラス」はフランス語由来の外来語です。

日本語には英語を経由して入ったのではないかとも言われますが、英語の語源になったのもフランス語なので、どちらにしてもフランス語由来です。

「テラス」と言えば、建物の1階の外側にあり、地面よりも一段高くなったスペースのことを指します。 

家なら、屋外にあるリビングの延長のようなイメージです。

そして、屋上に設けられた庭園のこともテラスと言います。

また、カフェやレストランの屋外席もテラスと呼ばれます。

  • テラス①「1階の外側にある地面よりも高くなったスペース」
  • テラス②「屋上庭園」
  • テラス③「カフェやレストランの屋外席」

フランス語の「terrasse」

フランス語の「terrasse」 は、もともとラテン語で「大地」を表す言葉に由来しています。

「地面」「土」から派生して「地面を平らにした場所」や「平らな屋上・台地」を意味するようになりました。

なので現代フランス語の「terrasse」にも日本語の「テラス」同様、「1階の外側にある地面よりも高くなったスペース」や「屋上庭園」さらに「カフェやレストランの屋外席」という意味があります。

そして日本語にない意味としては、「段々畑や段丘のような地形」があります。

日本の棚田に似た段々畑がフランスにもあり、それを「terrasse」と呼ぶのです。

フランス語の「terrasse」の使い方をまとめると、

  • terrasse①「1階の外側にある地面よりも高くなったスペース」
  • terrasse②「屋上庭園」
  • terrasse③「カフェやレストランの屋外席」
  • terrasse④「段々畑や段丘のような地形」

ということになります。

いろいろな「terrasse」

「terrasse」の例文を挙げておきます。

  • Ils déjeunent sur la terrasse.
    (彼らはテラスで昼食をとる)
    → terrasse①「1階の外側にある地面よりも高くなったスペース」
      terrasse③「カフェやレストランの屋外席」
  • Les vignobles sont plantés sur des terrasses.
    (ブドウ畑は段々地形に広がっている)
    → terrasse④「段々畑や段丘のような地形」

などがあります。

テラス席大好きなフランス人

ところで話しは変わりますが、冬のフランスに来たことはありますか?

毎年毎年、街なかで見かけるたびに思うのですが、フランスのカフェのテラス席にあるストーブの、もったいないことと言ったら!

環境保護に関しては、そこそこ意識が高い方であるにもかかわらず(もちろんドイツなどにはかなり劣りますが)、冬になるとカフェの店先に登場するのがストーブです。

「どんなに寒くても、何が何でも外がいい!」という人たちが一定数いる結果です。

そのため、夏のかなり暑い日でも、レストランの店先にあるテラス席は満席なのに、クーラーの効いた店内はガラガラ、などということも起こります。

暑さ・寒さを我慢してまでカフェやレストランにいるつもりのない私には、かえって好都合なことも多いのですが、テラスのストーブだけは、苦々しく思ってしまうのです。

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