意味の広がりや違いを感じよう!
日本で広く使われている外来語には、フランス語由来のものが少なくありません。
外来語があることでフランス語の単語が覚えやすくなる反面、本来の意味が抜け落ちたり、変わってしまうことすらあります。
外来語・元の単語の両方を知って、意味の広がりや違いを感じてください。
第3回目は、「クチュール」です。
日本語の「クチュール」
「クチュール」とだけ聞いても、あまりピンと来ないかもしれませんね。
でも「オートクチュール」は聞いたことがありませんか?
「オートクチュール」はフランス語由来の外来語で、「高級なオーダーメイドの服」という意味です。
元のフランス語では2つの単語なのですが、セットで日本語に入りました。
単に「高級な仕立て服」と言われるよりも、「オートクチュール」の方が、なんとなく豪華で華やかな感じがするものです。
- オートクチュール「高級なオーダーメイドの服」
フランス語の「couture」
もとになったフランス語「Haute Couture」は、日本語の「オートクチュール」と同じ意味です。
ただしフランスの「Haute Couture」は保護された公式なラベルで、特別な制度と品質基準が定められていて、一定の条件を満たしたブランドだけが名乗れます。
「haute」は「haut(高い)」という形容詞の女性形、「couture」は女性名詞です。
そして「couture」には複数の意味があります。
もっとも基本的な意味は、一般的な「裁縫」「縫い物」です。
この意味には手縫いだけでなく、ミシン作業も含まれます。
なお、「縫い目」や「縫い合わせた部分」という意味もあります。
さらにファッション業界の「仕立て」「服飾業」という意味も。
つまり「Haute Couture(オートクチュール)」という言葉は、かなり限定された使い方であり、意味であることがわかります。
フランス語の「couture」の使い方をまとめると、
- couture①「裁縫」「縫い物」
- couture②「縫い目」「縫い合わせた部分」
- couture③(ファッション業界の)「仕立て」「服飾業」
- couture④(「Haute Couture」)「オートクチュール」
ということになります。
いろいろな「couture」
「Haute Couture(オートクチュール)」以外の「couture」の例文を挙げておきます。
- Ma grand-mère m’a appris la couture.
(祖母が裁縫を教えてくれた)
→ couture①「裁縫」「縫い物」 - Il y a une couture sur le côté.
(横に縫い目がある)
→ couture②「縫い目」「縫い合わせた部分」 - Elle travaille dans la couture.
(彼女はファッション業界で働いている)
→ couture③(ファッション業界の)「仕立て」「服飾業」
などがあります。
こうした例文でわかる通り、「couture」という単語自体には高級なイメージなどなく、日常の針仕事などを指す言葉なんですよね。
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