フランス版おばあちゃんの知恵
「おばあちゃんの知恵」というのは、世界共通なのでしょうか?
フランスにも「les remèdes de grand-mère」と呼ばれ、身近な自然素材を使い、環境にもお財布にも優しい知恵がいくつもあります。
その中でも真っ先に挙がるのがマルセイユ石けんで、そしてマルセイユ石けんと言えば、まずは洗たくです。
伝統的なレシピとともに、ずぼらな私が毎回実践しているアレンジもご紹介します。
マルセイユ石けんの注意点
「les remèdes de grand-mère(おばあちゃんの知恵)」をご紹介する前に、大事な点があるので、それを先にお伝えします。
「savon de Marseille(マルセイユ石けん)」については、残念ながら、たとえマルセイユで買ったものであっても、そのほとんどはニセモノです。
実は本物の「savon de Marseille(マルセイユ石けん)」と呼べる石けんを作っているのは、中小企業の4社しかありません。
2026年4月27日の配信、本物を製造するのは4社だけ!ニセモノのマルセイユ石けんに気をつけよう!で具体的な会社名とともにご紹介しているので、詳細はそちらからご覧ください。
使うべき石けんとは?
そして本物を作っているこの4社でも、消費者の好みやお土産用途もあるため、香料入りや色つきの石けん、さらにはシャンプーなども製造しています。
でも「les remèdes de grand-mère(おばあちゃんの知恵)」で使われているのは伝統的な2種類の「savon de Marseille(マルセイユ石けん)」で、オリーブオイルが主成分の深い緑色のモノと、パームオイルが主成分のベージュ色のモノです。
洗たく石けんのレシピ
大事な点なので、前置きが長くなってしまいましたが、おばあちゃんの知恵の洗たく石けんのレシピをご紹介します。
このレシピで出来上がるのは、リキッドタイプの洗たく石けんです。
用意するもの
出来上がり量2リットル(洗たく約20回分)に必要なモノ
- マルセイユ石けん 60グラム
- 熱湯と水 1リットルずつ
- 重曹 大さじ2
- お好みのエッセンシャルオイル 20滴 *¹
- 2リットルの容器 *²
- 湯沸かしポットまたはナベ
- 石けんを削るためのおろし金など *³
*¹ エッセンシャルオイルの量は目安ですので、適宜調節してください。
*² 2リットル以上入れば何でも構いませんが、熱湯を入れるので、強度のある容器をお勧めします。
*³ おろし金がない場合は、時間はかかりますが包丁やナイフでもOKです。
作り方と使い方
- 石けんをおろし金などで削って容器に入れ、1リットルの熱湯を入れて溶かす。
- そのまま24時間放置して固くなった石けんに、少しずつ1リットルの水を加えて混ぜる。
- 重曹とエッセンシャルオイル(必要なら)を入れ、再度混ぜて完成。
- 通常のリキッドタイプの洗たく洗剤と同様に、1回分100ccを目安に使ってください。
実際に作ってみると…
このレシピ、フランスのナチュラル志向の人たちの間ではよく知られていて、せっせと作っては、洗たくのたびに毎回使っている人がたくさんいます。
フランスでは洗たく用に「削られたマルセイユ石けん」というものも売っているので、それを使えば、おろし金で削る作業は省略できます。
…ただし、これを実際に作ってみると、かなり大変なんです。
なにせ熱湯で石けんを溶かすので、泡が大量に発生しますし、24時間放置後の固くなった石けんに水を入れて均一になるまで混ぜるのも、かなりやっかいです。
もっと大容量のビンを使ったり、2リットル入りのビンで半量を作れば多少はラクになりますが、そもそも大容量で熱湯を入れられるビンが見つからなかったり、半量だとわずか10回分しかできません。
ずぼらな使い方とは?
でも、生来のずぼらな私は、ある日、思いついてしまったんです。
汚れのひどい洗い物をよくぬらし、石けんをこすりつけて少々泡立てたら、あとはそのまま洗たく機に入れてしまえばいいのだと!
もちろん、あまりにもひどい汚れなら1度すすいで、再度石けんを泡立てます。
レシピは石けん60グラムで20回分なので、1回分の石けん量は3グラム。
私の使っているマルセイユ石けんは300グラムのモノなので、これ1つで100回分ということです。
本当に経済的で、汚れ加減に応じて量は調節でき、白いモノの洗たくの時だけ重曹を足します。
香りづけには、専用にしているハンカチにラベンダーのエッセンシャルオイルを1滴。
これだけで石油由来の合成洗剤に頼らず、めんどうな液体せっけんを作る手間もなく洗たくをしています。
洗たくの注意点
ただし最後にもう1つ注意点があります。
それは、水の硬度が高い(マグネシウムやカルシウムなどの含有量が多い)硬水では、石けんカスが出やすいということです。
日本のほとんどは軟水なので問題ないはずですが、水がいいと言われるマルセイユ市内であっても、硬水地域です。
これまで何人もの人に聞いたのですが、時々洗濯機の掃除をしながら使い続けているという人、手洗いする時のみマルセイユ石けんを使うという人から、そもそも石けんカスが気にならないという人まで、さまざまでした。
入手可能ならぜひ!
マルセイユ石けんの4社のメーカーからはもとより、誰からも何ももらっていませんが、南フランスに住む者として、まじめに伝統的な製品を作っている会社を応援する意味で、毎日この石けんを使い、この配信でもあえて会社名を出しました。
もし本物のマルセイユ石けんが入手できるようでしたら、ぜひ1度お試しください!

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