「Je t’aime.」以外の愛情表現
フランス語の愛情表現「Je t’aime.」は本当に有名ですが、他にもけっこうあります。
今回はその8つ目、「Ne me quitte pas.」をご紹介します。
否定の命令形を使った愛情表現です。
「Ne me quitte pas.」
「ne ~ pas」で否定の「~ない」、「me」は1人称代名詞目的格「わたしを」「わたしに」、「quitte」は「(場所を)離れる」「(活動などを)やめる」「(人と)別れる」「(場所・人のもとを)去る」という意味の「quitter」の命令形です。
なので、「Ne me quitte pas.」は「わたしを置いていかないで」という意味です。
どんな人がどんな場面で?
「Ne me quitte pas.(わたしを置いていかないで)」は、愛想をつかして去って行こうとする相手の足元に、すがりついて言うイメージです。
映画やシャンソンに詳しい方なら、耳にしたことがあるのではないでしょうか?
「あなたの言うことは何でも聞くから、どうか行かないで!」という強いメッセージです。
愛情表現以外の例1
このフレーズのカギとなっているのは、「quitter(離れる/やめる/別れる/去る)」という動詞です。
この動詞を使った他の定番フレーズも、ご紹介しておきます。
- Ne quittez pas, s’il vous plaît.
(お待ちください)
これは直訳すると「切らないでください」なのですが、フランスの電話対応では超定番のフレーズです。
オフィスやコールセンターでも、これが使われます。
「s’il vous plaît」をつけずに「Ne quittez pas.」だけでも失礼になるようなことはなく、逆に素早い対応をしてくれているようで、好感を持つことすらあります。
愛情表現以外の例2
定番フレーズをもう1つ。
- Je dois te quitter.
(もう行かなきゃ)
「dois」は「devoir(~なければならない)」の現在形です。
なので直訳すると「きみの元を去らなければならない」なのですが、前述の「Ne me quitte pas.(わたしを置いていかないで)」の相手の人が言っているわけではありません。
恋愛感情のあるなしに関わらず、人と会っていたり、電話で話していたりしていたけれど、そろそろ別れる時間である、もしくは電話を終える時間である、などのタイミングで言うフレーズです。
これと同様の、
- Je dois te laisser.
(もう行かなきゃ)
というフレーズもあります。
「laisser」には「置いておく」「残す」という意味があるので、相手を残して去るイメージです。
「Je dois te quitter.」の方が直接的で、どちらかと言うと「もう行かなければならないから、別れなければならない」という気持ちがストレートに出ます。
役立たずが一番!
やはり「quitter(離れる/やめる/別れる/去る)」という動詞には強い意味があり、今回のフレーズ「Ne me quitte pas.(わたしを置いていかないで)」には、「どうにかして振り向いてもらいたい」という、強い気持ちが込められています。
もっとも、あなたには、このフレーズが役に立つ日が来ないよう、お祈りしています!
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