整理して覚えよう!
フランス語には「試み」を表す単語が2つあります。
そのため、日本語の「やってみた」は「試しにやってみた」のか、「頑張ってやってみた」のかがはっきりしませんが、フランス語では一目瞭然です。
ごく簡単な例文でニュアンスを把握して、頭の中を整理しておきましょう!
「essai」
2025年12月8日の【フランス語のフレーズ】意味が狭まった外来語㊳エッセイという配信で、日本語の「エッセイ」の語源になった「essai」には、「試み」という中心的な意味があるとご紹介しました。
その他「essai」には機械や技術に関する「テスト」や科学や医学分野の「試験」などもある通り、「essai」は何かを試す「テスト」という意味で使われる単語です。
つまり「essai」は、結果を確かめるための、どちらかと言うと客観的な「試し」であり、それは人の意志とは限りません。
「essai」をまとめると、
- 「試し」「テスト」「試運転」など用途が広い
- 機械・実験などに使える
- 結果を確かめるための「試し」
- 人の意志とは限らない
ということになります。
「tentative」
こうした結果を確かめるための「試し」である「essai」に対し、「tentative」は主観的なニュアンスが強い言い方です。
「tentative」という表現を使うことで、意志や努力、さらには挑戦の気概が感じられるようになります。
ただしその一方で、「頑張ってやってはみたけれど、結果がついてくるかどうかはわからない」という側面もあります。
「tentative」の場合は、あくまでも目的に向かって試みることが大事で、主観的であり、意識的な行為なので、主語は人間が多くなります。
「tentative」をまとめると、
- 意志・努力・挑戦のニュアンスが強い
- 頑張るけれど必ずしも結果が伴わない
- 主語は人間が多い(意識的な行為)
ということになります。
「essai」「tentative」の例文
「essaii」と「tentative」の例文を挙げておきます。
- Ma tentative a échoué.
(私の試みは失敗した)
→ 頑張ったけれどダメだった
- L’essai du moteur a réussi.
(エンジンの試運転は成功した)
→ テストが成功した
などがあります。
2種類の「やってみた」
ごく短いフレーズで、再度確認しておきます。
- J’ai fait un essai.
- J’ai fait une tentative.
和訳すれば、どちらも「やってみた」になりそうです。
1は「essai」を使っているので、この「やってみた」は「何かを試すテスト」であり、どちらかと言うと客観的で、感情の高まりは感じられません。
それに対し、2は「tentative」を使うことで、わたし、つまりは「人が頑張った挑戦」であり、主観的で意志や努力を感じます。
フランス語なら一目瞭然!
冒頭でも触れたとおり、日本語の「やってみた」は「試しにやってみた」のか、「頑張ってやってみた」のかが、状況や背景の説明なしにははっきりしません。フランス語なら、「essai」があれば「試しにやってみた」、「tentative」があれば「頑張ってやってみた」というのが一目瞭然ですね!

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