物理的・心理的な距離を表す
「-ci」と「-là」は、品詞で言うなら一応副詞ですが、「-(ハイフン)」がついていることからもわかるように、独立した1つの単語ではありません。
他の単語の後ろにつけて使い、場所や心理的な距離を表します。
1つのフレーズに両方を使うことで、単語の繰り返しを避けたり、省略したりする、便利な使い方もありますよ!
「-ci」と「-là」
「-ci」については、前回の配信【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】第416回で扱い、「-ci(= ici「ここ」)」をつけることで、「こちらの~」「今いる~」という意味が強調されるとご紹介しました。
「ここ」があるなら、当然「そこ」や「あそこ」があるはずですが、フランス語では「そこ」と「あそこ」が区別されることはあまりなく、「-ci」の類義語で距離が変わるものとしては、「-là」があります。
「-là」の元になっているのは、「là」「là-bas」で、それぞれ「そこ」「あそこ」のように訳されることも多いのですが、実際にフランス語で使われる際には、日本語のようには距離感がはっきりしていません。
「-ci」と「-là」の使い方
使い方としては、名詞の後ろにつけて、距離感を出します。
- ce livre この本
- ce livre-ci こちらの本
- ce livre-là そちらの本・あちらの本
指示代名詞「 celui(男性形)」や「celle(女性形)」などにつけることもできます。
- celui-ci / celle-ci = 「こちらの(それ)」
- celui-là / celle-là = 「そちら・あちらの(それ)」
「-ci」と「-là」の例文
「-ci」や「-là」は1つずでつでも使えますが、2つを同じフレーズ内で使うことで、単語の繰り返しを避けたりできるというメリットがあります。
- Regarde cette chaise-ci. Elle est plus confortable que celle-là.
(こっちの椅子を見てごらん。あっちのより座り心地がいいよ) - Tu préfères ce gâteau-ci ou celui-là ?
(こっちのケーキとあっちの、どっちが好き?) - Cette idée-ci est originale, mais celle-là est plus pratique.
(こっちのアイデアは斬新だけど、あっちの方が実用的だね)
モノやコトだけでなく、人や時間などにも使えるので、覚えておくと何かにつけて便利です。
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