最強でもマイナス面が存在
以前(2023年9月9日)『「生まれ変わったつもり」が最強である理由』というタイトルで掲載した勉強法は、私のフランス語の基礎になっています。
おかげで、フランス語だけを話す主人とのコミュニケーションに困らず、子育てに伴う学校や習い事での人間関係、自分自身の仕事やさまざまな活動にも、支障をきたすことなく暮らしてきました。
「生まれ変わったつもり」が最強という気持ちは変わっていませんが、それでもデメリットはあるので、今回はマイナス面について、シェアしていきたいと思います。
デメリット①
「生まれ変わったつもり学習」のデメリットその1は、「相当な覚悟が必要」ということです。
文字通り「生まれ変わったつもり」になるのですから、それこそ中途半端な気持ちでできることではありません。
もちろん人によって性格や環境が違いますし、生活におけるフランス語の重要度もまちまちなので、どこまでかは人によるのですが、ある程度は覚悟する必要があります。
デメリット②
「生まれ変わったつもり学習」のデメリットその2は、「恥をかき続けるリスク」があるということです。
ネイティブとして育つ子どもでさえ、親や周囲から言い回しや文法の間違いを指摘されながら覚えていくのがフランス語なのです。
まして大人になってから、まったく違う言語環境で育った日本人が、初めから間違えない方が、不思議なぐらいです。
私にはできませんが、ネイティブとコミュニケーションを取る前に、よほど暗記学習でもしない限り、間違えずに済むはずはありません。
つまり、フランス語で話すと、一定期間は間違いを指摘され続けるのです。
指摘してくれるネイティブは、あなたのために親切で言ってくれる場合もありますが、大体は無意識に言っています。
例えば、日本の八百屋さんにやってきた外国人が「すみません、大根1個とミカン3本ください」と言ったら、八百屋さんは「はい、大根1本とミカン3個ですね!」と確認しないでしょうか?
八百屋さん側としては、お客さんの外国人の日本語を指摘しているのではなく、注文の確認を無意識にしているだけなのですが、言われた方は「しまった!また間違えた!」と思うものです。
私はフランスで、この手の間違いを数え切れないほどしています。
そのたびに顔から火が噴くのではないかと思うほど恥ずかしかったのですが、こうした間違いをトラウマにせずに話し続けるメンタルを維持できたからこそ、フランス語が身に付いたのです。
デメリット③
そして「生まれ変わったつもり学習」のデメリットその3は、少し意外なことかもしれません。
これはデメリット1の覚悟が決まって少し落ち着き、デメリット2の恥をかき続けることにも慣れた頃に感じることなのですが、デメリット3は、「自分が多重人格になってしまったのではないかと感じる」ことです。
なぜかと言うと、「生まれ変わったつもり」を続けるうちに、日本語で話す元々の自分と、フランス語で話す「生まれ変わった自分」が別人格であると気付くからです。
もうこの頃になると、フランス語で話している間は、頭の中もフランス語で考えています。
ネイティブとの会話を続けているうちに、ふと、「あれ?今自分はこう答えたけれど、日本人相手だったら、こうは言わなかったな」と感じる瞬間が訪れます。
でも、それもそのはず、日本人とフランス人は言語だけでなく、何もかも違いますし、話している言語も、まったく違うからです。
私はフランス人と結婚して長いのですが、いまだに「やっぱり宇宙人だな」と思う瞬間が時々あるのです。
こういう相手を前にして、日本語で日本人相手に答える内容と違うことを答えたとしても、当然なのです。
私は一時「多重人格になってしまったらしい自分」について悩みましたが、それは必要ないことでした。
「第二の自分」をつくろう!
こうしたデメリットはあるのですが、「第二の自分」とも言うべきものを確立すると、本当にラクになるものです。
フランス人やフランス語圏の人たちと、彼らの言語でコミュニケーションを取るからこそ、見えてくるものがたくさんあります。
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