外来語を整理しよう!
今回のフレーズにある、「mélancolique」という単語には聞き覚えがある方が多いのではないでしょうか?
「メランコリック」という外来語になっていますよね?
さらに「メランコリー」という言葉もありますが、違いがわかりますか?
他にも「アンニュイ」など、気持ちや感情を表す外来語を整理して一緒に覚えれば、日本語として使う場合にも役に立ちそうですよね!
このフレーズの場所と背景
では、単語に入る前に、今回のフレーズ、「Puis, mélancolique :」「 C’est bien plus loin… c’est bien plus difficile…」の場所と背景を確認しておきます。
このフレーズは、第26章の前半にあります。
第26章の1枚目の挿絵から数えて9行目と10行目にあるフレーズです。9行目は語り手の男性の説明部分、10行目は王子さまのセリフです。
「puis」
「puis」は副詞で、「次に」「それから」「その上」「さらに」などの意味があります。
「mélancolique」
「mélancolique」は形容詞で、「愁いに満ちた」「ゆううつそうな」「もの悲しい」「うら寂しい」などの意味です。
「c’est bien」
「c’est」は、「これ(それ・あれ)」を意味する「ce」と、être の3人称単数の活用形「est」が合わさってできています。
意味は「これ(それ・あれ)は~です。」
「bien」は副詞で、「よく」「正しく」「非常に」「本当に」などの意味です。
「plus」
「plus」 は、「plus +(形容詞/副詞)」の形で「より多く」という意味です。
「loin」
「loin」は副詞で、「遠く」という意味です。
「difficile」
「difficile」の意味は「難しい」「困難な」で、形容詞です。
女性形であっても、形が変わりません。
背景を見てみると
故障した飛行機からはかなり離れた場所にいたのに、王子さまは男性が修理に成功したことを知っていました。
8日間かけても直らなかった飛行機が、食料や水が尽きた後に動くようになって、男性は「ようやく家に帰れる」という、晴れ晴れとした気持だったはずです。
王子さまもそのことを喜んでいるのですが、「自分も今日家に帰る」と言い、今回のフレーズになるのです。
「mélancolique」と「mélancolie」
ところで、「mélancolique」は先ほどご紹介したように形容詞、「mélancolie」は女性名詞で、「物悲しさ」「ゆううつ」「うら寂しさ」といった意味です。
つまり2つは関連単語で、ほとんど同じ意味です。
「mélancolique」の類語
なお、外来語のカタカナ言葉で「メランコリック」に似ているものに「アンニュイ」や「センチメンタル」がありますが、なんとなく感覚で使っていませんか?
「アンニュイ」に当たるフランス語は「ennui」、「センチメンタル」に当たるのは「sentimental」です。
特に「sentimental」は、英語読みから外来語になったのか、かなり発音が変わります。
「ennui」
「ennui」は男性名詞で、「心配ごと」「面倒なこと」「困ること」「イヤなこと」「退屈さ」などの意味があります。
「ennuyeux」という形容詞もあり、こちらは「不愉快な」「イヤな」「退屈な」などの意味です。
「sentimental」
「sentimental」は形容詞・名詞の両方の使い方があります。
形容詞の場合、日本語と同様に「感傷的な」という意味もあるのですが、他にも「愛情に関する」「感情を込めた」という意味でも使われます。
また名詞の場合は「感傷的な人」という意味になり、人を表すので、男性名詞・女性名詞の区別はありません。
男性に使うなら冠詞の男性形をつけ、女性に使うなら冠詞の女性形をつけることになります。
ちなみに、「sentiment」という男性名詞があります。
「感情」「気持ち」「印象」「感じ」などの意味で、とてもよく使われる単語です。
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シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。
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