あいづちに使える
今回のフレーズにある「tout à fait」は、会話する際にもよく使われて、とても便利です。
相手の言葉を強く肯定する表現なので、こう言われると嬉しいものです。
ただし、発音と使い方に若干の注意点があるので、ご紹介します。
このフレーズの場所と背景
では、単語に入る前に、今回のフレーズ、「Ce n’est pas tout à fait ici !」の場所と背景を確認しておきます。
このフレーズは、第26章の始めにあります。
第26章の2行目、2つ目のフレーズで、王子さまのセリフです。
「ce n’est pas」
「ce n’est pas」は、「c’est」の否定形です。
「n’est」は、「ne」と、être の3人称単数の活用形「est」が合わさってできています。
意味は「これ(それ・あれ)は~ではない。」です。
「tout à fait」
「tout à fait」は形容詞句で、「まったく」「完全に」という意味です。
「ici」
「ici」は「ここ」、基本的には近い場所を表します。
フランス語では、日本語に比べて距離はあまり気にされない傾向がありますが、今回のフレーズでは日本語と同じく、「今いるこの場所」という意味です。
背景を見てみると
おいしい水を飲み、楽しく語り合った王子さまと語り手の男性ですが、別れの時は近づいています。
王子さまは見つけた井戸のそばに留まり、男性は飛行機の修理のために戻った後、次の日の晩に再度井戸のそばにやって来ました。
男性は遠くから王子さまを見つけたのですが、その時の王子さまのセリフが、今回のフレーズです。
王子さまの話し相手は、なんとヘビでした。
形容詞句の「tout à fait」
ところで、今回のフレーズでの「tout à fait」は形容詞句で、「ici」にかかっています。
このような使い方の例としては、
「C’est tout à fait normal.(まったく正常です)」
「Je suis tout à fait d’accord.(完全に同意します)」
などがあります。
便利な「tout à fait」
そして「tout à fait」は、これだけで1フレーズとしても成り立ちます。
例えば、相手に「わかる?」と聞かれて、
「Tout à fait !(完全にわかる!)」という具合です。
また、相手に「激しく同意する」という意味でも、単独で使用可能です。
ただし、「完全に」という意味なので、少しでも分からない場合や、相手に完全には同意できない場合は、「Tout à fait !」はトラブルの元です。
また、発音の際は「Tout」と「à」を一緒に読みますので、それだけは注意してくださいね。
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シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。
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