数字も算数も大切
最初に申し上げておきますが、今回の記事のせいで、どうかフランス語をキライにならないでください。
確かにフランス語はやっかいな言語ですが、それを少しでもラクに身につける方法は、このブログでもたくさん取り上げていきます。
私自身は回り道をしたものの、それによって得た気づきがあるので、これから始める方には同じ苦労をしてほしくないのです。
数字も算数も大切
以前「フランス語勉強法」のなかで、数字って大切!というタイトルでお話しをしていますが、数字だけではなく、算数も大切です。
ただし、数字・算数が大切な理由は同じではありません。
数字に関しては、フランス語圏に住む方や、将来住みたいと思っていらっしゃる方には必要だと言ったのですが、算数はフランス語そのものに関わってきます。
フランス語は論理的
フランス語はよく、論理的な言語だと言われます。
そしてフランス語圏に生まれたネイティブでさえ、大部分の人が面倒くさいと感じている言語です。
フランスに長く住み、日本語よりはフランス語を話して過ごしている私自身も、本当に面倒くさいと思っている一人です。
「論理」の具体例
この面倒くささをご紹介する第一歩として(!)、このブログでシリーズ記事にしている【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】第19回にて公開した内容をまとめます。
- 「les grandes personnes」という語について
- この中の「personnes」が女性名詞で複数形である。
- 「grandes」はその影響を受けて女性・複数形になっている。
- 「les」も影響されて複数形だが、性による変化はない。
- 「elles」は「les grandes personnes」を指す
- 「elles」は3人称代名詞の女性・複数形である。
- 「elles」も「les grandes personnes」の影響を受けている。
動詞の活用表
1つの名詞「personnes」により、冠詞・形容詞・指示代名詞の3つが影響を受けて変化しています。
その変換のしかたは単語によって異なり、あるものは数のみが変化し、あるものは姓・数の両方が変化しています。
そしてこの変化は動詞にも影響するので、フランス語の辞書なら必ず巻末に付属している、恐ろしい数の動詞活用表が存在しているのです。
ふだんの会話にて
こうしたロジックは、書き言葉だけではないのが、フランス語のやっかいなところです。
ごく親しい身内同士の会話であっても、こうした影響を考慮するのが前提で話すことになりますし、それを無視すれば、お互いに何を言っているのかがわからなくなってしまいます。
例えば、代名詞の女性形を男性形にしてしまっただけで混乱します。
同じ代名詞で人・モノの両方を指したりするので、たとえ登場人物が一人でも、ほかの何かについて言っているのではないかと勘違いされるのです。
発音も変わる!
さらにやっかいなのは、語句の組み合わせによって発音が変わることです。
複数の単語をつなげて発音したり、また、つなげると音が変わったり、変わらなかったりするのですが、それにも規則が存在します。
おまけに、そうした規則には例外も。
ちなみに、単語をつなげて発音するのは2つとは限りません。
ロジックに付きまとわれる
1つのフレーズを構成するのに、いくつもの単語が数や性差の影響を受け、場合によっては発音が変わり、語順も変わるのがフランス語です。
例えば小説なら、登場人物ごとに冠詞・形容詞・動詞などが変わり、各々の登場人物がグループになればまた変わり、グループ構成が変わるとさらに変わる、といったことになります。
性差があるのは人だけでなく、モノの名前の1つ1つにもあるので、登場するモノにももちろん、影響が及びます。
たとえ登場人物が1人でも、ありとあらゆるものが影響を受けるので、こうしたロジックから逃げることはできないのです。
算数の大切さ
そこで役に立つのが、算数です。
算数そのものというよりも、論理的思考力を鍛えるために必要なのです。
数学レベルは必要ないと思いますが、算数のものの考え方が、フランス語にはしっくりきます。
フランス語を始める前に算数、とは言いませんが、子どもの頃に習った算数の雰囲気を思い出していただければ、と思います。
フランス人は算数が得意?
ただし、論理的な要素が強いフランス語を操るフランス人が、特に算数を得意にしているとは、思いません。
買い物をすればお釣りを間違えられることなど、しょっちゅうです。
それでも、算数の考え方が身についている人の話しの方が、聞きやすい傾向にあるとは感じています。
数学的思考とフランス語は、やはり相性がいいのでしょうね!
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下のリンクのクリックで該当するエピソードに飛びますので、発音の確認などにお使いくださいね!
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