一緒に覚えよう!
今回のフレーズには「(動詞)+ de +(動詞の原形)」という形が使われています。
こういう形をとる動詞はいくつもあり、一緒に覚えておくと表現できることが広がります。
例文と一緒にご紹介します。
このフレーズの場所と背景
では、単語に入る前に、今回のフレーズ「Tu as décidé de partir.」の場所と背景を確認しておきます。
このフレーズは第9章後半の会話部分にある、バラの花のセリフです。
「tu as décidé de partir」
「tu」は「きみ」、「as」は「avoir」の活用形(現在形)です。
「décidé」は「décider」の過去分詞なので、「as(avoir)+(動詞の過去分詞)」で、過去を表す表現です。
「décider」は「決める」という意味ですが、「décider de +(動詞の原形)」の形で「~することを決心する」になります。
動詞の原形部分には「出発する」という意味の「partir」が使われています。
背景を見てみると
旅立ちの朝、王子さまはバラの花に別れを告げました。
わがままで見栄っ張りなバラの花は、時にはウソをついて自分のことを大きく見せようとしたりしていましたが、急に自分の気持ちを打ち明けて謝罪までします。
王子さまは、バラの花が大嫌いだと言っていた風や、虫が来ることも心配するのですが、それまでと打って変わって、花は気丈に振る舞います。
そして、王子さまの背中を押すように出発を促しています。
原形部分を変えると?
今回のフレーズ「Tu as décidé de partir.」は、「décider de partir」が「出発を決心する」なので「あなたは出発を決心した」になります。
ちなみに、「décider de +(動詞の原形)」で「~することを決心する」なので、動詞の原形部分を他の動詞に変えることで、いろいろな意味になります。
- J’ai décidé d’aller à l’école.
(わたしは学校に行くことにした) - Elle a décidé de travailler dans cette société.
(彼女はその会社で働くことにした) - Nous avons décidé de faire grève.
(わたしたちはストライキをすることにした) - Ils ont décidé de ne pas partir.
(彼らは出発しないことにした)
注意点
注意点は、
- 「avoir +(動詞の過去分詞)」の過去表現なので、主語が変われば「avoir」の活用が変わります。
- 動詞の原形部分が母音から始まる場合には、前置詞の「de」が「d’」になります。
(例:J’ai décidé d’aller à l’école.) - 「~しないことを決心する」という否定表現にするなら、「décider de ne pas +(動詞の原形)」になります。
(例(例:Ils ont décidé de ne pas partir.)
同じ形になる動詞
そして冒頭で触れた通り、「décider」以外にも同じ形になる動詞があります。
- essayer de +(動詞の原形): ~しようとする
- arrêter de +(動詞の原形): ~するのをやめる
- oublier de +(動詞の原形): ~するのを忘れる
- refuser de +(動詞の原形): ~するのを拒否する
それぞれの例文
- J’essaye de comprendre.
(理解しようとしている) - Il arrête de fumer.
(彼はタバコを吸うのを止める) - Elle oublie de répondre.
(彼女は返事するのを忘れている) - Il refuse de partir.
(彼は出発するのを拒否する)
2度繰り返すのもアリ?
なお、「(動詞)+ de +(動詞の原形)」という形は、繰り返される場合があります。
「彼はタバコを吸うのを止めることにした」というのが、その例です。
- Il a décidé d’arrêter de fumer.
(彼はタバコを吸うのを止めることにした)
ここでも「arrêter」が母音から始まっているので、直前の前置詞「de」を「d’」にするのをお忘れずに!
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