覚えて使おう!
人は誰でも、ほめられると嬉しいもの。
今回のフレーズはほめ言葉の定型文ですし、日常会話でよく使う場面と使用上の注意をご紹介します。
発音しやすいので、ぜひ覚えて使ってみてくださいね!
このフレーズの場所と背景
では、単語に入る前に、今回のフレーズ「C’est exact !」の場所と背景を確認しておきます。
このフレーズは、第5章の中ほどにあります。
第5章1枚目の挿絵から3行目にあるフレーズで、語り手の男性のセリフです。
「c’est exact」
「c’est」は「ce」の省略形「c’」と「être」の活用形「est」が合わさってできています。
「exact」は「正確な」「正しい」「的確な」という意味ですが、「C’est exact !」は「まったくその通り!」という定型文です。
背景を見てみると
王子さまの星の厄介者、バオバブの木は大きくなると手に負えなくなるので、小さなうちに駆除する必要があるのですが、王子さまは本当に羊が小さな木を食べるのかどうかが気になります。
男性が「バオバブは小さな木ではない」と言ったことに対して、王子さまは「バオバブの木も、成長する前は小さかった」と反論します。
それに対する男性の反応が、今回のフレーズです。
普通の反応なら
さて、タイトルや冒頭で触れた通り、今回のフレーズ「C’est exact !」は「まったくその通り!」という定型文です。
そして背景にあるように、このフレーズは王子さまが言ったことへの反応です。
でも、もしも男性が「うん、そうだね」のように反応するなら、「Oui, c’est ça.」程度の答えになります。
つまり「C’est exact !」には、「激しく同意」という意味があるのです。
使用上の注意点
なので実際に使用するには、「激しく同意」できない場合は使わない方が賢明です。
適当に相づちを打つならうなづくだけ、少々同意なら「Oui.」または「Oui, c’est ça.」に留めます。
そして「本当にその通り!」という強い同意を示す場面でのみ、「C’est exact !」を使います。
こればかりを繰り返してしまうと、これ以上に激しい同意をする方法があまりないので、必要な時に効果的に使えなくなるというリスクもあります。
ニュアンスの違いも!
なお「C’est exact !」には、同意する以外にも「正解!」もしくは「大正解!」という意味もあります。
なので、ほめ上手な教師が生徒に向かって繰り返すのは、よくある光景です。
子どもにとって、とてもうれしいフレーズなのです。
大人の場合には、相手によっては注意して使う必要がありますが、ほめて伸ばしてあげたい小さな子ども相手なら、何度でも繰り返し言ってあげたい表現です。
子どもだからではない?
ただし、お話しの中で語り手の男性が「C’est exact !」と言ったのは、王子さまが子どもだからではないと思われます。
王子さまが子どもなので、ほめて伸ばしてあげたいという趣旨ではなく、男性は「激しく同意」したので、このフレーズを使ったのです。
それは、和訳では理解しにくいバオバブの木の恐ろしさを、王子さまと男性が共有できたためです。
詳細はこのシリーズの第257回と第259回でご紹介していますので、参照してください。
この記事を音声で聞くなら
シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。
下のリンクのクリックでこの記事に該当するエピソードに飛びますので、発音の確認などにお使いくださいね!
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