257 木や草に関する単語とその違い! C’est bien vrai, n’est-ce pas, que les moutons mangent les arbustes ?

名詞

いろいろな木や草

今回のフレーズのある第5章では、木に関する複数の単語が登場します。 

日本語だとどれも「木」なのに、フランス語では複数の言葉になっています。 

「草」に関する言葉とともに、まとめてご紹介します。 

このフレーズの場所と背景

では、単語に入る前に、今回のフレーズ「C’est bien vrai, n’est-ce pas, que les moutons mangent les arbustes ?」の場所と背景を確認しておきます。 

このフレーズは、第5章の始めにあります。 

第5章始めの会話部分にある最初のフレーズで、王子さまのセリフです。 

「c’est bien vrai」 

「c’est」は「ce」の省略形「c’」と「être」の活用形「est」が合わさってできています。 

「bien」は「よく」「正しく」「非常に」「本当に」、「vrai」は「真実の」「本当の」「現実の」などという意味です。 

「n’est-ce pas」

「n’est-ce pas」は、「c’est」の否定形「ce n’est pas」の倒置形で、否定の疑問文のほか、「~じゃないですよね?」という同意を求める表現として使われます。 

「n’est」は、「ne」と、être の3人称単数の活用形「est」が合わさってできています。 

「que」

「que」は疑問詞や感嘆詞、関係代名詞や接続詞になるのですが、今回のフレーズでは「?」や「!」がないので、関係代名詞か接続詞になります。 

関係代名詞か接続詞かを見分けるには、「que」の後の部分に小さなフレーズの節を見ます。 

関係代名詞なら、節の中の小さなフレーズに足りないものがあるのですが、接続詞なら、節の中は一つの文章として完結していて、足りないものはありません。 

今回のフレーズでは節の中が完結しているので、この「que」は接続詞です。 

「les moutons mangent les arbustes」 

「les」は定冠詞複数形、「moutons」は「羊」を意味する男性名詞「mouton」の複数形です。 

「mangent」は人や動物が主語で、「(食べ物を)食べる」という意味の「manger」の活用形(現在形)です。 

「arbustes」は「低木」という意味の男性名詞「arbuste」の複数形です。 

背景を見てみると

王子さまと砂漠で出会い、語り手の男性はいろいろな話しを聞いています。 

そして出会って3日目には、王子さまの星の厄介者、バオバブの木について聞くことになりました。 

かなりドラマチックな話しの最初となったのが、今回のフレーズです。 

羊に食べてほしいモノ 

背景にある通り、今回のフレーズは王子さまのセリフです。 

「C’est bien vrai, n’est-ce pas, que les moutons mangent les arbustes ?」を見てみると、「羊が『les arbustes』を食べるって、ホントに本当だよね?」なのですが、「arbuste」というのは、木の一種です。 

今回のフレーズの後で、男性が「バオバブはarbustesではなくarbresだ」というくだりがあります。 

いろいろな「木」 

「arbuste」と「arbre」、さらに「bois」という単語もあり、すべて「木」なのですが、少しずつ違いがあるので、整理してみます。 

まず、今回のフレーズにある「arbuste」は「低木」や「灌木」などと訳される木です。 

何メートルまでの木が「arbuste」になるのかについては、フランス語の説明でもまちまちなのですが、少なくとも7メートル以上になるものは「arbuste」とは言いません。 

成長し終わっても、はるかに見上げるほどには大きくならない木のことで、庭に植えられる木などは、「arbuste」であることが多いです。 

大きな「木」

それに対し、「arbre」や「bois」は大きくなる木です。 

王子さまを困らせるバオバブの木などは、間違いなく「arbre」または「bois」に当たります。 

「arbre」と「bois」はどちらも同じように使われますが、違いでハッキリしているのは、「bois」の方は「木材」や「燃料としての薪」という意味で使われるということです。 

切った後の木のことを「arbre」と呼ぶことはありません。 

いろいろな「草」

なお「草」に関しては、「herbe」という言葉がよく使われます。 

日本語には英語読みの「ハーブ」が外来語として定着していますし、「ハーブ」と言えば料理や薬草などの有益な植物というイメージがありますよね? 

でもフランス語の「herbe」には、タイムやローズマリーなどだけではなく、雑草のような人を困らせる草にも使われる単語です。 

つまり、「Herbes de Provence」という言葉がある一方で、雑草のことを「mauvaise herbe」と言うのです。 

漢字は便利!

木や草などに関する言葉には他にもまだたくさんありますが、もっとも使われるのは今回ご紹介した4つです。 

日本語には漢字があるので、「木」や「草」という文字によってグループ分けができて便利なのですが、フランス語だとさまざまな単語を覚える必要があります。 

1つずつ慣れるしかないですよね…。 

この記事を音声で聞くなら

シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。 

下のリンクのクリックでこの記事に該当するエピソードに飛びますので、発音の確認などにお使いくださいね!

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