「体重は何キロ?」ではない言い方
今回のフレーズでは体重を聞いています。
でも「体重は何キロ?」のようには聞いていません。
身長と体重の言い方や聞き方をご紹介します。
このフレーズの場所と背景
では、単語に入る前に、今回のフレーズ「Combien pèse-t-il ?」の場所と背景を確認しておきます。
このフレーズは、第4章の中ほどにあります。
第4章の3枚目の挿絵から10番目のフレーズで、語り手の男性による説明部分です。
「combien pèse-t-il」
「combien」は数や量を聞く疑問詞で「どれだけ」「いくらの」という意味です。
「pèse-t-il」は「peser」の活用形(現在形)「pèse」が疑問文のため倒置されて前に出て、「il(彼/それ)」と語順が変わっています。
発音しやすくするために意味はない「t」をその間に入れて、3つをハイフンでつなげています。
「peser」は「~の重さがある」という意味です。
背景を見てみると
語り手の男性は、王子さまの星だと考えるB612という小惑星発見にまつわるこっけいな話しの後、そもそもこうした状況になるのは、大人たちが物事の本質を見ようとしないからだと言います。
そして大人たちが話題にしない、物事の本質に迫る具体例として、新しい友だちができた時にするべき質問が3つ示されます。
その後で、本来はするべきではないものの、大人たちがよくしてしまう質問が4つ示されます。
今回のフレーズは、その4つの質問の3つ目です。
体重の言い方
さて先ほどもご紹介した通り、「peser」という動詞には「~の重さがある」という意味があります。
そのため今回のフレーズ「Combien pèse-t-il ?」は、「彼の体重は何キロ?」という聞き方ではなく、直訳すると「彼はどれだけの重さがある?」と聞いています。
もしも「何キロ?」と聞きたい場合は、「combien de ~」の形で「いくつの~」「どれほどの~」という意味なので、「combien de kilo」も使えますが、それでも動詞は「peser(~の重さがある)」を使います。
身長の言い方
これは身長についても同じことで、「mesurer」は人が主語の場合には「身長~である」という意味になるので、体重の言い方と同様になります。
つまり今回のフレーズを身長バージョンにするなら、「Combien mesure-t-il ?」になるということです。
身長や体重の単位は?
なお身長や体重の単位は、日本と同じく、メートルやキロを使います。
というより、メートル法自体がフランス生まれで、日本でも使うようになっただけです。
「キロ(kilo)」は日本語とほぼ同じですが、「メートル(mètre)」の発音には気をつけるのが1つ目のポイントです。
もう1つのポイントは、長さと重さの言い方です。
日本語で身長を言う時は「160センチ」と言うことが多いものですが、フランス語だと発音上は「1 mètre 60」、表記上は「1m60」になり、「センチ」の部分は省略されることが多いです。
体重については、「50キロ」と同様に「50 kilo」と発音されて、表記上は「50 kg」です。
「peser」の活用には注意!
ただし体重を表す動詞「peser(~の重さがある)」の活用には注意してください。
「peser」という動詞は語尾が「-er」になっているのですが、残念ながら特殊な動詞なので、他のER動詞(詳細は第197回)とは違う活用をします。
私は勝手に「ひねくれ者ER」と呼んでいます。
表の赤字の部分で「e」が「è」になり、発音も変わります。
単数 | 1人称 | je | pèse |
2人称 | tu | pèses | |
3人称 | il/elle | pèse | |
複数 | 1人称 | nous | pesons |
2人称 | vous | pesez | |
3人称 | ils/ells | pèsent |
「身長〇〇センチ」「体重〇〇キロ」
ここでは、①身長175センチ体重65キロと、②身長160センチ体重50キロの例をご紹介します。
- Je mesure 1 mètre 75. Je pèse 65 kilo.
- Je mesure 1 mètre 60. Je pèse 50 kilo.
先ほども触れましたが、書く時は「1m75」「65kg」になります。
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シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。
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