197 ER動詞直説法現在形のまとめ! Ça vole.

動詞

楽しく覚えよう! 

たった2語だけの今回のフレーズは、「これは飛ぶ」という意味です。 

このシンプルなフレーズを使って、1番ポピュラーなタイプである「ER動詞」の活用をご紹介します。 

意味するところは「私は飛ぶ」「きみは飛ぶ」「彼/彼女は飛ぶ」…。 

鳥になった気分で、楽しく覚えてくださいね! 

このフレーズの場所と背景 

では、単語に入る前に、今回のフレーズ、「Ça vole.」の場所と背景を確認しておきます。 

このフレーズは、第3章の始めにあります。 

第3章の始めの段落の後にある会話部分の2行目のフレーズで、語り手の男性のセリフです。 

「ça vole.」 

「ça」は代名詞で、本来は「あれ/それ」を意味する「cela」の話し言葉です。 

「voler」は、「(鳥や飛行機などが)飛ぶ」「(人が)飛行機で飛ぶ」などの意味です。 

ただしスペル・発音ともに全く同じ「voler」で、「(物を)盗む」という別単語があります。 

これについては、このシリーズの第167回で詳しくご紹介しているので、参照してください。 

背景を見てみると 

語り手の男性が描いた、羊が入っているはずの箱の絵に、王子さまは満足した様子です。 

ただし王子さまは質問には答えようとはしないので、どこからやって来たのかさえ、男性が知るには長い時間がかかりました。 

それでも男性は、その言葉の端々から、王子さまがどのようにサハラ砂漠までやって来たのかを知るようになりました。 

今回のフレーズがあるのは、男性が乗ってきた飛行機について話している場面です。 

飛行機というものを知らなかった王子さまが「それは何か」をたずね、男性が説明している部分の一節です。 

「voler」直説法現在形活用表 

このフレーズの「ça」が何を指しているのかは、背景から明確です。 

男性が「mon avion(私の飛行機)」と言っている、故障してしまっている飛行機のことです。 

「これは飛ぶんだ」と言っているこのフレーズを使って、もっとも基本的な活用である、「ER動詞直説法現在形」6種類をまとめてご紹介します。 

意味はもちろん、冒頭でも触れたとおり、「私は飛ぶ」「きみは飛ぶ」「彼/彼女は飛ぶ」「私たちは飛ぶ」…です。 

眉間にしわを寄せず、楽しくどうぞ!

単数1人称jevole
2人称tuvoles
3人称il/ellevole
複数1人称nousvolons
2人称vousvolez
3人称ils/ellsvolent
「voler」直説法現在形活用表

動詞の活用について 

活用のポイントをまとめます。 

  1. 動詞の活用は全般的に語尾だけのものが多い 
  2. 「ER動詞直説法現在形」は語尾のみ(活用表の太字部分) 
  3. 語尾が「-er」となっているもののほとんどは「voler」と同じ変化をする 
  4. 3人称単数の「il」と「elle」、3人称複数の「ils」と「elles」は、それぞれ同じ変化をする 
  5. 「ça」は3人称単数「il」などと同じ変化になる 
  6. 発音は、単数の3種類「je」「tu」「il/elle」と3人称複数「ils/elles」は同じ、「nous」と「vous」は特殊 

覚え方① 

「何かを覚えるなら、きっちり覚えたい」という方には、フランスの小学校で教える覚え方がいいかもしれません。 

その方法とは、変化する語尾の部分をアルファベット読みで丸暗記するというものです。 

ER動詞なら、「e-es-e-ons-ez-ent」という具合です。 

覚え方② 

「覚え方」とまで言えるかどうかは分かりませんが、私が実際に覚えた時の方法も、ご紹介しておきます。 

それは、活用表をボーっと見て、視覚的に頭に入れたというだけです。 

そもそも、語尾の「-er」から「r」を取った、「-e」が基本になっています。 

発音も6種類のうち4種類が一緒なので、これがベースと考えます。 

その上で、「tu」と「ils/elles」には「邪魔なモノ」がついていると考えたのです。 

邪魔なモノとは、「tu」の「s」と「ils/elles」の「ent」です。 

邪魔なモノというマイナスイメージにすることで、努力しなくてもなんとなく頭に残るようにしたのです。 

そして残りの「nous」と「vous」については、「nous」イコール「ons」のイメージ、「vous」は「z」のイメージにしました。 

この2つの発音が他とは違うので、分けておくようにしたのです。 

なお、この「ボーっとしたイメージ」は、ER動詞だけでなく、できるだけ他の動詞にも当てはめて、使いまわしをしました。 

漢字と似ている! 

フランスの小学校では、さまざまな動詞のさまざまな活用を子どもたちに覚えさせるために、フランス語の授業のかなりの時間を割いています。 

授業中に書かせたり、読ませて覚えさせたりするのですが、宿題にして次の授業で書き取りテストをしたりもします。 

なので子どもたちはブツブツと「e-es-e-ons-ez-ent」などとやっています。 

日本人が漢字を覚える時に、そっくりですよね! 

ある程度以上の年配者からは、この動詞の活用が覚えられなくて、先生に定規でたたかれた、などという体罰の経験談も聞きます。 

もちろん、今同じことが起きたらニュースになってしまうレベルの、現在ではありえない話しではありますが…。 

日本同様、現在のフランスは体罰禁止です! 

より楽しく覚えよう! 

なお先ほども触れたとおり、「voler」にはスペル・発音ともに全く同じで、「(物を)盗む」という同音異義語があります。 

2つとも活用形までが同じなので、「私は飛ぶ」「きみは飛ぶ」…は、「私は盗む」「きみは盗む」…にもなってしまいます! 

ぜひ楽しんで覚えてくださいね! 

この記事を音声で聞くなら 

シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。 

下のリンクのクリックでこの記事に該当するエピソードに飛びますので、発音の確認などにお使いくださいね!

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