92 場面の特殊性を利用しよう! Elle est juste au-dessus de nous… Mais comme elle est loin !

その他(王子さま)

夜更けの砂漠にて 

誰もいない夜更けの砂漠で、ヘビと話している王子さま。 

現実ではありえない場面ですが、この印象的なイメージを借りて覚えられることは、いくつもあります。 

このフレーズの場所と背景 

では、単語に入る前に、今回のフレーズ、「Elle est juste au-dessus de nous…」「Mais comme elle est loin !」の場所と背景を確認しておきます。 

このフレーズは、第17章の始めの方にあります。 

1枚目の挿絵から4行目の中にあるフレーズで、王子さまのセリフです。 

「elle est」 

「elle」は3人称代名詞単数女性で、人なら「彼女」ですが、モノを指すこともあります。 

モノを指すなら、女性名詞のモノになります。 

「est」は、être動詞の活用形です。 

「juste au-dessus de」 

「juste」は副詞で、「正確に」「正しく」「ちょうど」などの意味があります。 

「au-dessus de ~」は、「~の上に」という意味です。 

「juste au-dessus de ~」は決まり文句で、「~の真上に」という意味です。 

ふだんの会話などでも、とてもよく使われる表現です。 

「nous」 

「nous」は1人称代名詞複数で、「私たち」という意味です。 

「mais」 

「mais」の基本的な意味は「しかし」「けれど」で、逆説を表します。 

「comme」 

「comme」という単語には2つの使い方があります。 

1つは「比較のcomme」で、「~のように」「~のような」という意味です。 

もう1つは「感動のcomme」で、意味は「なんて~!」「なんと~!」です。 

この意味の「comme」は副詞で、フレーズの全体にかかることが多く、感動を表します。 

「comme」は「比較のcomme」として使われることの方が多いです。 

「感動のcomme」は複数の節がある場合を除いては、文の先頭に来るのが普通なので、慣れてしまえばわかりやすいです。 

「loin」 

「loin」は、空間的・時間的に「遠くに」という意味です。 

背景を見てみると 

王子さまが降り立った地球は、誰もいない砂漠で、しかも夜でした。 

ヘビと話しているのですが、王子さまが思うのは、やはり自分の星に残してきたバラの花のことです。 

王子さまが指さしているかどうかの記述はないのですが、ヘビに向かって「みてごらん、ぼくの星を」と言った後に、今回の2つのフレーズが続くのです。 

ここでの「elle」 

今回の2つのフレーズにある「elle」は、直前のフレーズに「ma planète(私の惑星)」があるので、人を指しているのではありません。 

先ほどもお伝えしたように、3人称代名詞はモノを指すこともあり、その場合は女性名詞のモノになります。 

「planète(惑星)」は女性名詞なので、「elle」が使われているのです。 

ここでの「nous」 

3人称代名詞はモノを指すこともありますが、1人称代名詞の「nous」に関しては、基本的に人のみ。 

ここではもちろん、王子さまとヘビなので、人だけではないのですが…。 

3人称代名詞の特殊性がわかる場面です。 

ここでの「comme」 

ここまで読んでいただいたあなたには、今回扱う「comme」が、「比較のcomme」なのか「感動のcomme」なのかがおわかりでしょうか? 

今回のフレーズ「Mais comme elle est loin !」には、文頭に逆説の「mais」がついているものの、基本的にはフレーズ全体にかかっているので、「なんて~!」「なんと~!」を表す「感動のcomme」です。 

どちらかというと用例が少ない使い方なので、このまま覚えるのもいいですね! 

この記事を音声で聞くなら 

シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。 

下のリンクのクリックでこの記事に該当するエピソードに飛びますので、発音の確認などにお使いくださいね! 

コメント

タイトルとURLをコピーしました