ストレスなく聞こう!
フランス語を始めたばかりだと、男性名詞なのか、女性名詞なのかがうろ覚えで、不安になることがよくあります。
でも、複数形なら性別は関係なく、同じ形になるので、かなりラクになります。
複数形のフレーズは、ホッとしますよね!
このフレーズの場所と背景
では、単語に入る前に、今回のフレーズ、「Est-ce qu’il y a des océans ?」の場所と背景を確認しておきます。
このフレーズは、第15章の始めの方にあります。
地理学者を相手にした王子さまのセリフです。
「est-ce qu’il y a ~ ?」
「est-ce qu’il y a ~ ?」 は、「est-ce que」と 「il y a ~」が合わさった形です。
「il y a」の疑問形なので、基本的に「~はありますか?」または「~はいますか?」という意味です。
「est-ce que ~ ?」
「est-ce que ~ ?」 は、疑問文をつくる時に使われます。
疑問文をつくるには倒置して「?(クエスチョンマーク)」をつける場合もありますが、特に話し言葉では「est-ce que ~ ?」がよく使われます。
「est-ce que ~ ?」をつける場合には、倒置は必要ありません。
なお、「~」のに入る部分が、今回のように母音から始まっている場合は、「que」が「qu’」になり、次の単語と合わさった形になります。
「il y a ~」
「il y a ~」の形で「ある」「いる」などの意味です。
基本的には、人・モノの存在を表します。
「il」
「il」は3人称代名詞単数で、「彼」を表すのですが、モノやコトを受けて「それ」の意味になることもあります。
そして、場合によっては特に意味を持たないこともあり、今回の使い方もそれに当たります。
「y」
「y」は代名詞として「そこ」などの意味です。
ただしここでの「y」は意味を持たず、「il y a ~」という、決まった形の一部であるだけです。
「a」
「a」は、英語の「have」に相当する動詞、「avoir」の直説法現在3人称単数の活用形です。
このフレーズでは現在形ですが、過去形や未来形に変化することがあります。
「des」
「des」には2種類あり、1つは不定冠詞、もう1つは前置詞と定冠詞が合わさった形です。
不定冠詞の「des」
不定冠詞をまとめます。
- 「un」不定冠詞単数形男性
- 「une」不定冠詞単数形女性
- 「des」不定冠詞複数形
前置詞+定冠詞の「des」
前置詞の「de」と定冠詞複数形の「les」が合わさると、「des」になります。
つまり「de + les = des」ということです。
「océans」
「océans」は、「大洋」を意味する男性名詞「océan」の複数形です。
今回のフレーズは地球上の話しではありませんが…。
太平洋は「Océan Pacifique」、大西洋は「Océan Atlantique」です。
背景を見てみると
地理学者は、王子さまが初めて出会った、仕事らしい仕事をしている人で、住んでいる大きな星はとても美しいので、王子さまはとても満足そうです。
地理学者の仕事の内容も教えてもらったので、王子さまがこの大きく美しい星について、まずたずねたのが、今回のフレーズです。
どちらの「des」?
先ほど、2種類の「des」をご紹介しましたが、今回の「des」は、どちらでしょうか?
「est-ce qu’il y a ~ ?」は、存在をたずねる疑問文で、「océans」があるかと聞いていますね。
ここでの「大きな海」は複数形で、存在を聞いているぐらいなので、特定できるわけではありません。
つまり、この「des」は、不定冠詞複数形の方です。
2つ買いたくなった話し
冒頭でも触れましたが、フランス語入門期あるあるなのは、名詞の性差です。
このポッドキャストの別の回でもお話ししていますが、私はフランスに来たばかりのある日、突然ブリオッシュが食べたくなったのですが、ブリオッシュが男性名詞なのか、女性名詞なのかで迷いました。
1人でパン屋さんに入ってしまったので、身近に聞ける人もなく、必要なのは自分が食べる分の1個だけ。
間違ったら恥ずかしいので、よほど2個買ってしまおうかとも思ったのですが、2個は食べられない…。
こんなつまらないことを、ずっと覚えているのは、そこで間違ってしまったからです。
おかげで、ブリオッシュが女性名詞だということは、絶対に忘れなくなりました。
この記事を音声で聞くなら
シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。
下のリンクのクリックでこの記事に該当するエピソードに飛びますので、発音の確認などにお使いくださいね!
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