「Bonjour.」と「Bonsoir.」の大切さ
今回のフレーズにもある「Bonjour.」は「おはよう」と「こんにちは」に、また、「Bonsoir.」は「こんばんは。」にほぼ相当します。
言うまでもなく、挨拶の基本ですよね?
初めて会った相手でも、「初めまして」に当たる「Enchanté.」よりも、「Bonjour.」や「Bonsoir.」と言う方が多かったりします。
なので、この「Bonjour.」や「Bonsoir.」が第一印象の決め手になるのです。
今回はフレーズ自体がシンプルなので、ネイティブのフランス人への第一印象のかなめとも言える、挨拶の発音を中心にご紹介します。
このフレーズの場所と背景
では、単語に入る前に、今回のフレーズ、「La consigne c’est la consigne.」「Bonjour.」の場所と背景を確認しておきます。
このフレーズは、第14章の中ほどにあります。
第14章で王子さまは、街灯をつける男に出会います。
今回のフレーズは街灯をつける男のセリフで、王子さまへの回答部分です。
「la consigne」
「la」は、定冠詞女性・単数です。
「consigne」は女性名詞で、ここでの意味は「命令」ですが、幅広い意味を持つ単語で、他には「コインロッカー」「手荷物預かり」、「デポジット(保証金)」などがあります。
「consigne」については、第69回で詳しくご紹介しているので、ご参照くださいね!
「c’est」
「c’est」は、「これ(それ・あれ)」を意味する「ce」と、être の3人称単数の活用形「est」が合わさってできています。
意味は「これ(それ・あれ)は~です。」
「bonjour」
「bonjour」は、「おはよう」と「こんにちは」に当たるのですが、日本語とは時間のズレが生じる場合があります。
「おはよう」は日の出から使われ、「こんにちは」は日没まで使われることがほとんどだと思います。
「bonjour」も日の出からですが、日没よりかなり前に「bonsoir」に取って代わられることがあるのです。
この詳細は第70回でご紹介していますので、よろしかったらどうぞ!
背景を見てみると
1分ごとに街灯をつけたり消したりするのが不思議で、王子さまは何度も質問を投げかけましたが、点灯と消灯を繰り返す男が、なぜ命令に従うのかがわかりません。
すると男は「理解する必要などない」と言い、今回のフレーズになるのです。
命令だから従う、この男にとっては、それがすべてのようです。
第一印象のアップを狙おう!
さてここで少し、想像していただきたいのですが、あなたの前に明らかに外国人と思われる人がいるとします。
そして、ハッキリした日本語で「〇〇と申します。どうぞよろしくお願いいたします。」と明るく挨拶をされたら、好印象を受けませんか?
その後の日本語はちょっと怪しくて、「すみません、もう少しゆっくりお願いします」を繰り返されても、です。
第一印象がよければ、「もう少しわかりやすく話してあげようかな?」と、思う人もいるかもしれません。
つまり、ネイティブのフランス人に向かって、ハッキリと明るく言う「Bonjour.」や「Bonsoir.」には、こうした効果があるのです。
カタカナ発音はやめよう!
なので、「Bonjour.」を「ボンジュール」に、「Bonsoir.」を「ボンソワール」と、カタカナ発音にしてしまうと、この第一印象が残念なことになってしまいます。
外国人の言う「よろしくお願いいたします」が「ヨロシーク、オ・ネ・ガイ・シマース」になっているのと、似たような状況です。
まずは「Bonjour.」と「Bonsoir.」だけでも、練習してみませんか?
ポイントになる音とは?
「Bonjour.」と「Bonsoir.」には、フランス語らしさの出る鼻母音と、日本人が苦手な「R」の音などが入っているので、この2つをしっかり練習しておくことで、その後の発音にも差がつきます。
具体的には、「bon」の部分の「on」が鼻母音です。
「ボン」とは似て非なる音なんですよね。
そして最後には「R」があるので、これもしっかり発音します。
ポッドキャストで、簡単な発音のコツをお話ししていますので、よろしければ下記リンクよりお聞きになってみてください。
この記事を音声で聞くなら
シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。
下のリンクのクリックでこの記事に該当するエピソードに飛びますので、発音の確認などにお使いくださいね!
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