372 代名詞目的格の語順ルールまとめ! Je te l’interdis.

名詞

語順ルールが存在!

今回のフレーズには、代名詞の目的格が2つ使われています。 

日本語は語順が自由な言語なので意識しにくいのですが、フランス語の場合はしっかり語順が決まっています。 

いくつかのルールがあるので、まとめてご紹介します。 

このフレーズの場所と背景 

では、単語に入る前に、今回のフレーズ、「Je te l’interdis.」の場所と背景を確認しておきます。 

このフレーズは、第10章の始めにあります。 

第10章の挿絵から7行目にあるフレーズで、王様のセリフです。 

「je te l’interdis」

「je」は「わたし」、「te」は2人称代名詞単数目的格「君を」「君に」です。「l’interdis」は「le」の省略形「l’」と「interdis」が合わさったものです。 

ここでの「le(の省略形「l’」)」は3人称代名詞単数直接目的「彼を」「それを」、「interdis」は「(モノ/事柄を)禁じる」という意味の「interdire」の活用形(現在形)です。  

背景を見てみると 

旅に出た王子さまが最初にやって来たのは、年老いた王様が1人で暮らす小さな星でした。 

王子さまを見つけた王様は「家来がやって来た」とばかり、大喜びです。 

でも長旅で疲れているのに、座る場所すらない王子さまは、王様の前であくびをしてしまいます。 

すると王様は、礼儀に反すると王子さまをたしなめ、今回のフレーズになるのです。 

人称代名詞の復習

まず、人称代名詞を復習しておきます。 

1 Afi 
1 Afi 
je GI) 
tu 
elle 
ils 
elles 
la 
me (m) 
te (t) 
lui 
nous 
vous 
les 
leur 
moi 
toi 
lui 
elle 
eux 
elles
人称代名詞

このフレーズの目的語

さて、今回のフレーズは動詞以外がすべて代名詞です。 

主語が「je(わたし)」、目的語のうち、「te」は形からは直接か間接かの判断ができませんが、「le(の省略形「l’」)」が直接目的の「彼を/それを」なので、ここでの「te」は間接目的の「君に」だとわかります。 

つまり今回のフレーズ「Je te l’interdis.」は「わたしは君にそれを禁ずる」という意味です。 

日本語なら、「わたしは君にそれを禁ずる」を「わたしはそれを君に禁ずる」に言い換えられますし、意味もほぼ変わりません。 

でもフランス語では、語順を変えることはできないのです。 

語順ルールの前提

変えられないのは、冒頭で触れた通り、フランス語には語順のルールがあるからです。 

今回は、目的語(直接/間接)が両方とも代名詞である場合をご紹介します。 

ちなみに、目的語が片方でも代名詞ではない場合は、このルールに当てはまりません。 

こうした例は、後日改めてご紹介する予定です。 

  1. 「主語・間接目的・直接目的・動詞」の語順になる 
  2. 目的語は「1人称・2人称・3人称」の語順になる 
  3. 目的語がどちらも3人称なら「直接・間接」の語順になる 

1.「主語・間接目的・直接目的・動詞」の語順

目的語が代名詞の場合は動詞の前になり、目的語は間接→直接の順になるのが基本です。 

そのため、「主語・間接目的・直接目的・動詞」の語順になるのです。 

今回のフレーズはこの基本ルール通りになっています。 

「Je te l’interdis.(わたしは君にそれを禁ずる)」を1つずつ見ていくと、 

  1. je(わたし) 
  2. te(君に) 
  3. l’(それを) 
  4. interdis(禁ずる) 

このフレーズでは、基本通り「主語・間接目的・直接目的・動詞」の語順になっています。 

2.目的語は「1人称・2人称・3人称」の語順

日本語ネイティブからすると、このあたりからが理解しにくくなるのですが、1番目の「間接→直接」という順番は、簡単に破られてしまうルールなのです。 

それが「1人称・2人称・3人称」の語順です。 

つまり、目的語に1人称があればそれが他よりも優先されて前に出て、2人称なら3人称よりも優先されるということです。 

具体的には、 

  • Je te le présente.
    (彼に君を紹介する) 

1番目のルール通りなら、日本語の「彼に君を紹介する」同様、3人称の「le(彼に)」が先に来るはずですが、フランス語では「1人称・2人称・3人称」の語順になるので、3人称は必ず後になります。 

3.目的語がどちらも3人称なら「直接・間接」の語順

そしてさらに、目的語がどちらも3人称である場合は、「直接→間接」の語順になります。 

  • Je le lui donne.
    (彼にそれをあげる) 

ここでも1番目のルール通りなら、日本語の「彼にそれをあげる」同様、間接目的の「lui(彼に)」が先に来るはずですが、目的語が両方とも3人称の場合は「直接→間接」の語順になります。 

フランス語の目的格代名詞の語順

特にわかりにくい2と3のルールを、フランス語で整理すると、代名詞の優先順位は次のようになります。 

  1. me, nous
    (1人称の直接・間接目的語) 
  2. te, vous
    (2人称の直接・間接目的語) 
  3. le, la, les
    (3人称の直接目的語) 
  4. lui, leur
    (3人称の間接目的語) 

対象を変えてみよう!

ところで、今回のフレーズ「Je te l’interdis.(わたしは君にそれを禁ずる)」の「わたし」は王様です。 

王様が王子さまに禁じている「それ」とは、あくびのことです。 

このフレーズの目的語は「2人称の間接目的」→「3人称の直接目的」という構成なので、1番目の語順ルール通りになっています。 

もしも王様が「わたしは彼にそれを禁ずる」と言うなら、両方の目的語が3人称になるので、3番目のルールに従い、語順が変わります。 

  • Je le lui interdis.
    (彼にそれを禁ずる) 

実は以前の配信で「わたしと君ファースト(1・2人称が必ず最初)」「これを彼に(直接→間接)」と覚える方法もご紹介しています。 

今回はそれをさらに詳しくまとめたものです。 

慣れるまでは少し大変ですが、繰り返し練習してみてくださいね! 

この記事を音声で聞くなら 

シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。 

下のリンクのクリックでこの記事に該当するエピソードに飛びますので、発音の確認などにお使いくださいね!

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