353 依頼や質問に役立つ言い方! Je te demande pardon.

動詞

意外なメリットも!

今回扱うのは謝罪のフレーズなのですが、これを応用することで何かをお願いしたり、質問したりするのに役立つ言い方になります。 

この言い方をすることで、文法的にはラクになること多いので、覚えておいて損はないですよ! 

このフレーズの場所と背景

では、単語に入る前に、今回のフレーズ「Je te demande pardon.」の場所と背景を確認しておきます。 

このフレーズは第9章後半の会話部分にある、バラの花のセリフです。 

「je te demande pardon」

「je」は「わたし」、ここでの「te」は2人称代名詞単数目的格なので「きみを」または「きみに」という意味です。 

「demande」は(人が主語で)「~に~を要求する」「~に~を求める」「~に~を尋ねる」、(モノが主語で)「~を必要とする」という意味の「demander」の活用形(現在形)です。 

「pardon」は男性名詞で、「許し」という意味です。 

「demander + pardon」で、「(人に)許しを請う」という意味になります。 

背景を見てみると

旅立ちの朝、王子さまはバラの花に別れを告げました。 

わがままで見栄っ張りなバラの花は、始めのうちは何も言わずにせき込んで見せるだけでしたが、急に自分が愚かだったと認めます。 

そして今回の謝罪のフレーズを口にするのです。 

関係性の変化

それまでわがまま放題に振る舞っていたバラの花ですが、王子さまがいなくなるとわかった途端に態度が変わります。 

急にしおらしくなったので、王子さまも驚いたのですが、今回のフレーズ「Je te demande pardon.」にとてもよく似たフレーズは、すでに第8章にあります。 

それは「Je vous demande pardon…」で、このシリーズの第339回でも扱っています。 

「Je te demande pardon.」「Je vous demande pardon.」は和訳するならどちらも「ごめんなさい」に当たりますが、「te」を使った前者では親しい間柄の人への謝罪、「vous」を使った後者では初対面や目上の人などへの謝罪という違いがあります。 

ただしこの2つは、どちらもバラの花が王子さまを相手に謝った時のフレーズなのです。 

「Je vous demande pardon…」は初めて会った朝に、「Je te demande pardon.」は別れの朝に言っているので、バラの花と王子さまの関係性が変わっていることがわかりますね。 

「Pardon.」との違い

それでも一般的によく使われる謝罪の「Pardon.」などではなく、あえて「Je te demande pardon.」と言っているのは、軽く「ごめんね!」とは言っていないからです。 

「Je te demande pardon.」と謝ることで、親しい人に改めてしっかり謝っていることが伝わります。 

親しい間柄の人とケンカした後、やっぱり自分が悪かったと認めて謝りたい時などには、この言い方がピッタリです。 

応用すると…

そしてこの「Je te demande ~」という部分は、冒頭で触れた通り、何かをお願いしたり、質問したりするのに役立つ言い方になります。 

依頼に

「Je te demande de +(動詞の原形)」にすると、「お願い、~して」程度の、親しい間柄ながら命令口調ではない依頼になります。 

  • Je te demande de m’aider. 
    (お願い、手伝って) 
  • Je te demande de venir demain. 
    (お願い、明日来て) 

質問に

「Je te demande +(倒置しない疑問文)」にすると、「~を知りたいの」程度の、理由を確認したり、説明を求める質問になります。 

  • Je te demande pourquoi tu es en retard. 
    (なぜ遅れたのかを知りたいの) 
  • Je te demande comment tu fais ça. 
    (それをどうやってやっているのかを知りたいの) 

文法的にラク?

なお、「Je te demande ~」という言い方をすることによって、文法的にラクになります。 

特に「お願い、~して」という依頼は、通常なら命令文なのですが、動詞の原形を使うので、動詞の活用を考えずにすみます。 

  • Je te demande de m’aider. 
    (お願い、手伝って) 
  • Aide-moi ! ← 命令文 
    (手伝って!) 

注意点

ただし、「Je te demande ~」という言い方をする場合は、やさしく言いましょう。 

特に質問する場合には、強い語調だと相手を責めているように聞こえる場合があります。 

  • Je te demande pourquoi tu es en retard. 
    (なぜ遅れたのかを知りたいの) 

また、お願いする場合の「Je te demande de +(動詞の原形)」には、動詞の原形の前に前置詞の「de」がつきますので、お忘れなく! 

この記事を音声で聞くなら

シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。 

下のリンクのクリックでこの記事に該当するエピソードに飛びますので、発音の確認などにお使いくださいね!

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