336 フランス語は独特!関係代名詞の規則! La fleur que tu aimes n’est pas en danger…

名詞

難しくはないけれど…

フランス語の関係代名詞は、慣れるまでは厄介です。 

難しくはありませんが、英語とも異なる独特な規則があるからです。 

関係代名詞の規則を知るには理想的な今回のフレーズで、ぜひ身につけてください! 

このフレーズの場所と背景

では、単語に入る前に、今回のフレーズ「La fleur que tu aimes n’est pas en danger…」の場所と背景を確認しておきます。 

このフレーズは第7章の最後の段落にある語り手の男性のセリフです。 

「la fleur que tu aimes n’est pas en danger」

「la」は定冠詞単数女性形、「fleur」は「花」という意味の女性名詞です。 

ここでの「que」は関係代名詞で、詳細は後述します。 

「tu」は「きみ」、「aimes」は「(人を)愛する」「(人が)好きである」「(モノ/コトを)好む」という意味の「aimer」の活用形(現在形)です。 

「n’est」は否定の「ne」の省略形「n’」と「être」の活用形(現在形)「est」が合わさったものです。 

「ne ~ pas」で「~ない」という否定形を作っています。 

「danger」は「危険」という意味の男性名詞ですが、「être en danger」という形で「危険に直面している」という意味になります。 

背景を見てみると

生死にかかわる飛行機の修理にかかりきりの語り手の男性は、羊と花の関係という、大事とは思えない王子さまの質問に対して適当に答え、2人は険悪な状況になります。 

王子さまは、ある星で出会った他の男性について語ることで、男性が忘れかけていたことを思い出させようとしています。 

語りながら、王子さまは自分の星に残してきた花のことを思い、目の前のことにかまけて大事なことを見失っている男性に腹も立てて、号泣してしまいます。 

今回のフレーズのある段落では、ようやく我に返って大事なことに気づいた男性が、王子さまを慰める場面が描かれています。 

代表的な関係代名詞

フランス語の代表的な関係代名詞には「que」と「qui」があります。 

すでにこのシリーズの第305回で扱っていますが、その際は「qui」を中心にご紹介したので、復習しながら「que」を中心に見ていきます。 

まず、「que」と「qui」は両方とも疑問詞としても使われます。 

その場合は「que(何)」「qui(誰)」という意味になるので、英語の得意な方は「que」を「which」に、「qui」を「who」として捉えて理解したいと思います。 

でも、この方法はおススメしません。 

なぜならフランス語では、「que」と「qui」を関係代名詞として使う場合は「モノ」と「人」という分け方にならないからです。 

関係代名詞「que」「qui」の違い

「que」と「qui」が関係代名詞になると、疑問詞としての意味ではなく、つまり対象が「人」か「モノ」かという違いではなく、関係節(関係代名詞を含む小さなフレーズ)の中の役割によって、どちらを使うかが決まります。 

「que」は関係節の目的語、「qui」は関係節の主語として使われます。 

今回のフレーズ「La fleur que tu aimes n’est pas en danger…」なら、「que tu aimes」の部分が関係節です。 

この中で、「que」は目的語、「tu」は主語、「aimes」は述語です。 

「que」は直前の「la fleur(花)」を指しています。 

つまり「La fleur que tu aimes」は、「君の好きな花」という意味です。 

なぜ「que」が使われている?

そしてフレーズ全体としては「la fleur(花)」が主語になり、「n’est pas en danger(危険に直面していない)」なので、「君の好きな花は危ない目にあっていない」という意味になります。 

ポイントは、「la fleur(花)」はフレーズの主語ではありますが、関係節の中では目的語になっているので「que」が使われていることです。 

「la fleur(花)」が「モノ」だから「que」になっているわけではありません。 

花が女の子なら

なので、「la fleur(花)」を「la fille(女の子)」にしたとしても、関係代名詞は「que」のままです。 

  • La fleur que tu aimes n’est pas en danger. 
    (君の好きな花は危ない目にあっていない) 
  • La fille que tu aimes n’est pas en danger. 
    (君の好きな女の子は危ない目にあっていない) 

女の子が主語なら

ただし、「la fille(女の子)」が関係節の中で主語になるなら、関係代名詞は「qui」になります。 

  • La fille qui t’aime n’est pas en danger. 
    (君のことが好きな女の子は危ない目にあっていない) 

このフレーズの場合、「qui t’aime」という関係節の中の「qui」が主語、「t’aime」は「te」の省略形「t’」と「aime」が合わさっていますが、「t’」が目的語「aime」が述語です。 

あくまでも関係節の中の主語か目的語かという点が大切で、主語なら「qui」、目的語なら「que」ということです。 

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シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。 

下のリンクのクリックでこの記事に該当するエピソードに飛びますので、発音の確認などにお使いくださいね!

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