314 もう1つの「mais」! Mais non ! Mais non ! Je ne crois rien !

その他(王子さま)

逆説だけではない「mais」

今回は合計3つのフレーズを扱いますが、中に「mais」が含まれています。 

この単語は「しかし」「けれども」という逆説語として覚えている方が多いと思いますが、これは接続詞としての「mais」です。 

副詞として使うと、まったく違う意味になるので、しっかりアップデートしてくださいね! 

このフレーズの場所と背景

では、単語に入る前に、今回の3つのフレーズ「Mais non !」「Mais non !」「Je ne crois rien !」の場所と背景を確認しておきます。 

この3つのフレーズは、第7章の中ほどにある語り手の男性のセリフです。 

「mais non」

冒頭で触れた通り、ここでの「mais」は「しかし」「けれども」ではなく、副詞で強調語としての使い方です。 

意味は「本当に」「まったく」ですが、次の否定を表す「non」とともに「mais non !」で「とんでもない!」になります。 

「je ne crois rien」

「je」は「わたし」、「crois」は「~を本当だと思う」「~を信じる」という意味の「croire」の活用形(現在形)です。 

ここでは「ne ~ rien」は「何も~ない」という強い否定表現を伴なっているので、「何も本当だと思わない」または「何も信じない」という意味になります。 

背景を見てみると

生死にかかわる飛行機の修理にかかりきりの語り手の男性は、羊と花の関係という、大事とは思えない王子さまの質問に対して適当に答えた挙句、「花のトゲなんて何の役にも立たないし、ただ単に意地悪なだけだ」と言い放ちます。 

すると王子さまは強く反発して花の味方をするのですが、今回のフレーズによって、男性に質問をさえぎられてしまいます。 

ここでの「Je ne crois rien !」

男性がさえぎった王子さまの質問とは、「Et tu crois, toi, que les fleurs…(それで、きみさ、きみは花が~だろうと思うの?)」というものでした。 

このフレーズについては、このシリーズの第312回で扱っています。 

フランス語の目的語は後ろに来ることが多いので、途中でさえぎられてしまった王子さまの質問には、目的語がありません。 

ですがこの時の男性は、飛行機の修理のことで頭がいっぱいで、花のことなど考えてはいられなかった様子です。 

ただ単に「Et tu crois」の部分を聞いて即座に「Mais non !(とんでもない!)」を2回も繰り返して王子さまをさえぎります。 

そして「Et tu crois」で聞いてきた王子さまに「Je ne crois rien !」と言ったのです。 

つまりここでの「Je ne crois rien !」は、「何も本当だと思わない」「何も信じない」と言うよりもむしろ、「何も思わない!」だと考えられます。 

副詞の「mais」

さて副詞の「mais」意味は「本当に」「まったく」ですが、使い方は「mais non !(とんでもない!)」だけではありません。 

他にもよく使われるのが、これを含めた3つです。 

  • Mais oui !(本当だとも!) 
  • Mais non !(とんでもない!) 
  • Mais bien sûr !(もちろんだとも!) 

感覚的には、和訳すると弱まってしまうような気がします。 

かなり強い強調語で、実際の会話では「mais」の部分を強く発音します。 

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シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。 

下のリンクのクリックでこの記事に該当するエピソードに飛びますので、発音の確認などにお使いくださいね!

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