不規則動詞が苦手な方へ
今回のフレーズにある「attendre」は、不規則動詞と呼ばれて特殊な活用をします。
ただしフランス語には、不規則動詞が多いのも事実。
難なく覚えられる方はいいのですが、そうでない方は参考になさってください。
このフレーズの場所と背景
では、単語に入る前に、今回のフレーズ「Mais il faut attendre…」の場所と背景を確認しておきます。
このフレーズは、第6章の始めにあります。
第6章の最初の段落のすぐ後の会話部分にあるフレーズで、語り手の男性のセリフです。
「mais il faut attendre」
「mais」は「しかし」、「il」は形式上の主語で意味を持たない使い方、「faut」は動詞「falloir」の活用形(現在形)です。
「falloir」の使い方はほとんどが「il faut ~」の形です。
ここでは「il faut +(動詞の原形)」で「~しなければならない」という意味です。
そして動詞の原形部分には「attendre」が使われています。
「待つ」「待ち受ける」「期待する」などの意味です。
背景を見てみると
自分からはいろいろと聞いてくるくせに、語り手の男性の質問には答えない王子さまですが、星での暮らしについて話すようになりました。
男性は、王子さまが何気なく話した内容をもとに、星での王子さまの唯一の気晴らしは日没を眺めることだったことに気づきました。
「日没が大好きなんだ」「日没を見に行こう」という王子さまの言葉に対する男性の反応が、今回のフレーズです。
「attendre」活用表
さて、今回のフレーズは「il faut」で始まっているので「attendre(待つ)」は原形ですが、活用形(現在形)をまとめます。
過去分詞「attendu」も、一緒に覚えましょう!
単数 | 1人称 | j‘ | attends |
2人称 | tu | attends | |
3人称 | il/elle | attend | |
複数 | 1人称 | nous | attendons |
2人称 | vous | attendez | |
3人称 | ils/elles | attendent |
発音のポイント
「attendre」の現在形を発音する時のポイントを挙げておきます。
まず、母音から始まる単語なので、「je」は省略形の「j’」になります。
そして「tu」以外はすべて、代名詞の語末の音とくっつけて発音されます。
謎ルール発動!
その際、特に注意すべきなのは、複数形の代名詞「nous」「vous」「ils」「elles」の語尾にある「s」の発音です。
代名詞が単独なら「s」を発音しませんが、「attendre」の現在形はすべて「a」から始まり、くっつけることで「s」の部分も発音することになります。
おまけに、フランス語には「母音で挟まれた『s』は『z』と発音する」という謎ルールがあるので、音がにごるのです。
「nous attendons」「vous attendez」「ils attendent」「elles attendent」のことです。
実際に覚えた時の方法
そして覚え方ですが、私が実際に覚えた時の方法をご紹介します。
それは、活用表をなんとなくボーっと見て、視覚的に頭に入れます。
語尾の「-dre」から「re」を取った「-d」が基本になっていて、6種類のうち4種類の発音が一緒なので、これがベースと考えます。
単数形を見ると、「je」と「tu」には「s」がつきますが、「il/elle」は基本通り。
複数形は他の規則動詞と同じイメージが使えます。
「nous」イコール「ons」のイメージ、「vous」は「ez」のイメージ、「ils/elles」の「ent」のイメージです。
ネイティブは?
ちなみにネイティブは、小学校でこのような不規則動詞の活用表を見る前から、発音だけを知っています。
「nous」と「vous」の発音だけが違うということを知っていて、なんとなく「ons」と「ez」がつくとわかっているのです。
なので実は、発音が同じ4種類の部分の語尾を間違えるネイティブが少なくありません。
まずは4種類の発音が同じということを知っておき、「nous」と「vous」はイメージ通りに「ons」と「ez」をつけて発音し、スペルは余裕ができてからしっかり覚えても大丈夫です。
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シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。
下のリンクのクリックでこの記事に該当するエピソードに飛びますので、発音の確認などにお使いくださいね!
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