関連単語を覚えよう!
今回は「paresseux」という名詞に注目します。
派生語としての動詞・形容詞・副詞、さらに他の意味での名詞まであるので、一緒に覚えればラクに単語数を増やせます。
ただし名詞の中のある意味については、個人的には変更してもらいたいと思っている言葉です。
このフレーズの場所と背景
では、単語に入る前に、今回のフレーズ「J’ai connu une planète, habitée par un paresseux.」の場所と背景を確認しておきます。
このフレーズは、第5章の後半にあります。
第5章2枚目の挿絵から2つ目の段落にあるフレーズで、王子さまのセリフです。
「j’ai connu une planète」
「j’ai」は「わたし」という意味の「je」の省略形「j’」と「avoir」の活用形(現在形)「ai」が合わさったものです。
「connu」は(人または物事を)「知る」「知っている」などの意味を持つ「connaître」の過去分詞なので、「ai(avoir)+(動詞の過去分詞)」で、過去を表す表現です。
「une」は不定冠詞単数男性形、「planète」は「惑星」という意味の女性名詞です。
「habitée par un paresseux」
「habitée」は「(人が)~に住む」という意味の動詞「habiter」の過去分詞「habité」の女性形です。
ここでは形容詞として使われており、「人の住んでいる」という意味です。
「par」は前置詞で、「~を通って」という通過する場所、「~の時に」という時間や時期、「~がもとで」という原因なども表しますが、ここでは「~によって」という動作主を表しています。
同じ「~によって」という意味で、手段や道具などを表すこともあります。
「un」は不定冠詞単数男性形、「paresseux」は「怠け者」という意味です。
なので「par un paresseux」の部分だけに注目すると、「ある怠け者によって」という意味になります。
背景を見てみると
王子さまの星には恐ろしい種が存在しており、それはバオバブの種でした。
バオバブは、早期の対処を怠ると巨大化してしまい、最悪の場合には星の滅亡につながります。
やるべきことを先延ばしにしても支障がない場合もあるが、バオバブに関しては大ごとになると、王子さまは注意を促しています。
「怠け者」と言われる理由
今回のフレーズの後で、王子さまはある星で起きた大災害について言いかけています。
このお話しの中では、バオバブという木が本当に危険なものとして扱われています。
小さな星なら、そして星の大きさに対してバオバブが増えすぎてしまえば、星が滅亡してしまうこともあり得るというレベルです。
なので、こんな危険な木を放置するような人は、文字通り「paresseux(怠け者)」に違いありません。
「paresseux」の関連単語
では、「paresseux」の関連単語を見ていきます。
「怠惰」「ものぐさ」という意味の女性名詞「paresse」を基本形だと考えると、覚えるのがスムーズです。
単語 | 品詞 | 意味 |
paresse | 女性名詞 | 怠惰/ものぐさ |
paresser | 自動詞 | 怠ける/何もせずにいる |
paresseux(se) | 形容詞 | 怠け者の/やる気のなさそうな |
paresseusement | 副詞 | 怠けて/やる気がなさそうに |
paresseux(se) | 名詞⋆ | 怠け者 |
paresseux | 男性名詞 | ナマケモノ |
王子さまの知り合い
ところで、今回のフレーズにある「怠け者」という意味での「paresseux」は、男女どちらにもなる名詞(表中の⋆印)です。
形容詞と同じ変化をするので、男性の怠け者なら「un paresseux」、女性の怠け者なら「une paresseuse」になります。
王子さまの知っている怠け者は、男性だったということですね。
男性名詞の「paresseux」
なお関連単語として挙げておいたので、すでにお気づきかと思いますが、男性名詞の「paresseux」は、動物の「ナマケモノ」でもあります。
ただゆっくり動いているだけで、別に怠けているわけではないのに「ナマケモノ」などと呼ばれている動物です。
関連単語からもわかる通り、フランス語でも日本語の名称と全く同じ意味で名前がつけられてしまったようです。
大好きな動物の1つなのに、「paresseux/ナマケモノ」などと呼ばれて納得できません。
呼び方を変更してもらいたいです!
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シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。
下のリンクのクリックでこの記事に該当するエピソードに飛びますので、発音の確認などにお使いくださいね!
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