250 多重人格動詞「aller」2つ目の顔! Un dessin va, et l’autre ne ressemble plus.

動詞

2つ目の意味

今回のフレーズに含まれている動詞「aller」は、「行く」という意味だと覚えている方が多いと思います。 

でもこのフレーズに「行く」という意味はないので、これだけを覚えていても混乱します。 

いくつもの顔を持つ動詞「aller」の2つ目の顔、もとい意味について考えます。 

このフレーズの場所と背景

では、単語に入る前に、今回のフレーズ「Un dessin va, et l’autre ne ressemble plus.」の場所と背景を確認しておきます。 

このフレーズは、第4章の終わりにあります。 

第4章最後の段落の中ほどにあるフレーズで、語り手の男性による説明部分です。 

「un dessin va」

「un」は不定冠詞単数男性形、「dessin」は男性名詞で「デッサン」「絵」「地図」などの意味です。 

「va」は「行く」が代表的な意味の「aller」の活用形(現在形)ですが、意味については後述します。 

「et l’autre ne ressemble plus」

「et」は「そして」、「l’autre」は定冠詞単数形の「le」または「la」の省略形「l’」と「別のモノ/人」「他のモノ/人」を意味する「autre」が合わさったものです。 

「ne ~ plus」は「もはや~ない」という意味です。 

「ressemble」は「(人・物・事柄が)~に似ている」という意味の「ressembler」の活用形(現在形)です。  

背景を見てみると

王子さまという友だちを忘れないために、語り手の男性は、あえて悲しいお話しをすることにしました。 

王子さまの絵を描くために、男性は鉛筆や色鉛筆を買いそろえたものの、6歳の時にボアヘビを描いただけで、それ以降は絵を描くことを止めてしまったので、絵には自信がないようです。 

今回のフレーズでは、実際に王子さまの絵を描いた際の感想が述べられています。 

主語は2つ

さて、まずは今回のフレーズの主語について考えます。 

このフレーズは「et(そして)」でつながれているので、主語は2つあります。 

1つ目は「un dessin(ある絵)」そして2つ目は「l’autre」です。 

代名詞の「autre」

先ほど「l’autre」は定冠詞単数形の「le」または「la」の省略形「l’」と「別のモノ/人」「他のモノ/人」を意味する「autre」が合わさったものだとご紹介しました。 

ここでの「autre」は代名詞で、性別はありません。 

おまけに母音から始まっているので「l’」になっており、冠詞からも性別は分かりません。 

でもここでの「l’autre」は、「un dessin(ある絵)」を受けているので男性形です。 

また「un dessin」「l’autre」で両方とも単数形なので、絵は2枚あるということになりますね。 

つまりここでの「un dessin」は「ある絵」、そして「l’autre」は「もう1枚」ということがわかります。 

なお今回のフレーズにはありませんが、「autre」には不定冠詞がつくこともあり、その場合には「un autre」「une autre」になるので、性別がハッキリします。 

「aller」について

ここからは動詞について考えます。 

このシリーズでこれまで扱ってきた「aller」は「行く」という意味で、過去表現に「être」を伴なう「17の変わり者動詞」の1つです。 

(「17の変わり者動詞」に関しては、このシリーズの第207回などを参照してください) 

今回のタイトルにある「多重人格動詞」は私が勝手につけた名前なので、他で聞くことはないと思いますが、「aller」という動詞にはいくつもの意味があり、また働きもあります。 

ここでの「aller」

1度にご紹介すると消化不良を起こしそうなので(私は実際に経験しています)、ここでは今回のフレーズの使い方である2つ目だけにしておきます。 

それは「(事柄が)うまくいく」という意味です。 

つまり今回のフレーズの中にある「un dessin va」とは、「ある絵はうまくいく」ということです。 

似た意味には? 

そしてこの「(事柄が)うまくいく」という意味に似たものには、「(機械などが)動く」「(事柄が)進行する」というものがあります。 

例えば「La montre va bien(腕時計はちゃんと動く)」「Mon travail va bien(私の仕事は順調だ)」「Tout va bien(すべてうまくいく)」などです。 

他の絵は?

なお王子さまの絵に関しては、もう1枚の方はダメだったようです。 

今回のフレーズの後半部分に「et l’autre ne ressemble plus」とあるからです。 

「ne ressemble plus」を直訳すると「もはや似ていない」ですが、要するに「ちっとも似ていない」ということです。 

この語り手の男性は、かなり愚痴っぽい一面がありますよね? 

そしてそれは、この後に続くフレーズで、より具体的になっていきます。 

この記事を音声で聞くなら

シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。 

下のリンクのクリックでこの記事に該当するエピソードに飛びますので、発音の確認などにお使いくださいね!

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