225 「アラカルト」「アラモード」の共通点! Si vous dites aux grandes personnes :

その他(王子さま)

一定の条件

「アラカルト」「アラモード」などは、フランス語由来の外来語として定着していますね。 

「アラ~」という言い方は、フランス語らしい響きで好まれているのでしょうか? 

ただしこの「アラ~」、どんな言葉にでもつくわけではありません。 

一定の条件があるので、それをご紹介します。 

このフレーズの場所と背景

では、単語に入る前に、今回のフレーズ「Si vous dites aux grandes personnes :」の場所と背景を確認しておきます。 

このフレーズは、第4章の中ほどにあります。 

第4章の3枚目の挿絵のすぐ後の段落にあるフレーズで、語り手の男性による説明部分です。 

「si vous dites aux grandes personnes」

「si」は「もしも」、「vous」は「あなた」または「あなたたち」、「dites」は「言う」という意味の「dire」の活用形(現在形)です。 

「aux」は、前置詞の「à」と定冠詞複数形の「les」が合わさったものです。 

「grandes personnes」は「大人」という意味の「grande personne」の複数形です。 

背景を見てみると

語り手の男性は、王子さまの星だと考える小惑星、B612の発見にまつわる話しから、大人たちの性質へと、話題がシフトしています。 

大人たちは物事の本質を見ようとしないので、例えば新しい友だちについて話すなら、その人の年齢や体重、果ては父親の収入など、数字にしか興味がありません。 

これは人に関することだけでなく、モノについても同じことです。 

今回のフレーズの後には、大人たちに言ってもわからない、ステキな家の様子が語られます。 

対象は複数

ところで、今回のフレーズがある第4章には、語り手の男性の説明が長く続いています。 

その大部分は「les grandes personnes(大人たち)」に対する批判が占めています。 

複数形なので、ある特定の人物1人ではなく、一般的な大人全員が対象です。 

今回のフレーズは、「もしも大人たちにこう言うなら:」という意味です。 

対象を示す「大人たちに」の「に」に当たる前置詞は「à」ですが、先ほどもご紹介した通り、定冠詞複数形の「les」と合わさって「aux」になっています。 

1人だけなら?

でも今回のフレーズで、批判の対象が特定の人物1人だけだったら、どうなるでしょうか? 

1人なら「la grande personne(大人)」になるので、「Si vous dites à la grande personne :」になります。 

この形こそ、冒頭で触れた「アラカルト」や「アラモード」などの「アラ~」の言い方です。 

念のために確認しておくと、「à」は前置詞、「la」は定冠詞単数女性形です。 

男性名詞なら?

では、同じ内容で男性名詞なら、どうなるでしょうか? 

同じく「大人」という意味でしばしば使われるのが、名詞としての「grand」です。 

これを使って、今回のフレーズの男性名詞バージョンの単数と複数もご紹介します。 

単数は「Si vous dites au grand :」、複数は「Si vous dites aux grands :」になります。 

前置詞の「à」プラス定冠詞のまとめ!

以上を整理すると: 

  • 単数男性形:「à」+「le」=「au」 
  • 単数女性形:「à」+「la」=「à la」(変化なし) 
  • 複数形男女:「à」+「les」=「aux」 

つまり「à la(アラ)」になるのは、次に単数の女性名詞が来る場合だけということです。 

「アラカルト」「アラモード」の「carte」「mode」は、両方とも女性名詞です。 

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シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。 

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