クリスマス当日のフランス
あなたは、12月25日にフランス国内を旅したことがありますか?
クリスマス当日のこの日は、普段とはかなり様子が異なります。
結論から言うと、12月24日と25日は、フランスにはいらっしゃらないことをお勧めします。
特に、一人旅だと、メンタルに影響してしまうかもしれません。
ただし留学生にとっては、「災い転じて福」となるチャンスかも!
フランスの一人旅
私は細かい予定を立てずに動き回る一人旅が好きで、ヨーロッパだけでなく、アジアやオセアニアにも一人で行きました。
1人だと荷物を見てもらうということができないので、不便だと感じたことはありますが、寂しいと思ったことはありません。
その唯一の例外が、インターネットのない頃の、年末のフランス一人旅でした。
寂しいというよりは、身につまされた感じでたまらなくなり、公衆電話で日本の友人に国際電話をかけたのを覚えています。
楽しめていたクリスマス
この時の詳しい日程は覚えていないのですが、24日の日中までは、どこに行ってもクリスマスの飾りつけが本当にきれいで、楽しかった記憶があります。
街の中を行き来する人たちには活気があって、「フランスのクリスマスっていいな~」などと思ったものです。
今振り返ると、この賑わいは「しまった!アレを買い忘れた!」という人たちが右往左往していただけだと思うのですが、旅行者でフランス語の分からなかった私の目には、活気と映ったのです。
それでも、24日の陽の高いうちは、楽しめていました。
わかりやすい従業員たち
ところが夕方になると、雰囲気が一変しました。
お店によっては、明らかに早く店じまいをしていたり、まだお客さんがいるのに片づけを始めていたりしています。
とりあえず、何とか夕食はとれたのですが、店の人たちには明らかにやる気がなく、全く歓迎されていない客だということが、フランス語がわからなくても、ありありと分かりました。
それはホテルに帰ってからも、ほぼ同じでした。
一応、女性の一人旅なので、高級ではなくても安宿に泊まることはしなかったのですが、それでもフロント係が「仕方なく働いている」という感じでした。
この時点で、クリスマスにヨーロッパに来たことを本当に後悔したものです。
25日の街なかは?
ホテルには連泊していたのですが、これまたやる気のないメイドさんがお掃除に来てくれるので、1日中部屋に閉じこもっているのも難しかったです。
ご飯も食べたいので、翌日25日のお昼前に、外に出てみました。
歩いている人はごくわずか、車の数も少ないので、本当にガランとした感じでした。
この時の食事はどうしたのか、まったく覚えていないのですが、おそらくはサンドイッチか何かを買って、ホテルで食べたのではないかと思います。
前日の活気は何だったのかと思うほど、まったく別の街に変貌してしまったように感じました。
生活者視点のクリスマス
今考えると、クリスマス当日に旅行するなど、本当に無謀なことをしたと思います。
大抵のフランス人にとっては、クリスマスは家で祝う、または家族や親せきの家で祝う日なので、外出する理由がないのです。
ちなみに、前回の記事でご紹介した通り、「クリスマスは24日の日没から25日の日没まで」なので、パーティーをするのは24日の夕食時です。
そして25日は朝寝坊をし、早く起きた子どもたちは、クリスマスツリーの根元にあるプレゼントを見つけて喜びます。
前日の夕食でごちそうを食べ、普段よりはお酒も飲んでいるので、食欲はありません。
人によっては夕食まで何も食べずにゆっくり過ごし、夜も軽く済ませて、翌日からはまた仕事に戻るのです。
一斉に人が消えるワケ
なので、クリスマス当日に外に出るとすれば、せいぜいプレゼントの包装紙や梱包材などを捨てるために、ごみ置き場へ行く程度です。
一家に一人が捨てに行けば十分なので、街はガランとしてしまいます。
12月25日は祝日ですし、賃金が2倍以上になるにもかかわらず、この日に働きたいと思う人はまずいないので、ほぼすべてのお店が閉まります。
12月に入ると、他の月には休んでいる日曜日も開店していた大手スーパーでさえ、例外なく閉店です。
かろうじて開いているお店と言えば、外国人が個人経営している、小さな食料品店ぐらいのものです。
もしもフランスに留学するなら
ところで、もしもあなたがフランスに留学するなら、こうしたクリスマスの状況を知って、ある程度は準備をしておくことをお勧めします。
大学などで本格的に授業が始まるのは10月からのことが多いので、入学から3ヶ月程度経った頃にやって来るのが、クリスマス。
ある程度は慣れてきてはいるものの、今度はホームシックになってしまう人が出てくるのも、この時期です。
フランス人学生はもちろん、ヨーロッパ各地など、比較的近い所から来ている留学生の大半は、クリスマスには帰省します。
せっかく友だちになれても、クリスマスを一緒に過ごすことは難しいのです。
長い付き合いになるかも!
つまりクリスマス休暇中、あなたは一人で過ごすことになる可能性が大きくなります。
私は他のヨーロッパ人は分からないのですが、フランス人の場合、クリスマスに限っては、かなり親しくなれたとしても、彼らの実家に呼んでもらうことは難しいと思います。
普段は家でパーティーをしたり、招待客を家に泊めたりしている人たちでも、クリスマスだけは家族で過ごしたいと思っている人が多いのです。
なのでもしも、「一人でクリスマスを過ごすなんて考えられない!家においでよ!」と言ってくれる人が現れたら、よほどあなたのことが好きで、家族もそれを理解してくれていると考えてよさそうです。
一生涯の友だちになれるかもしれませんね!
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