フランス版おばあちゃんの知恵
フランスのおばあちゃんの知恵は「les remèdes de grand-mère」と呼ばれます。
おばあちゃんたちは自然素材、なかでも本物のマルセイユ石けんを使い、「洗う」「汚れを落とす」以外にも、あらゆる面で活用してきました。
今回はそのうちの1つ、衣類の虫よけ効果とそのやり方をご紹介します。
マルセイユ石けんの注意点
「les remèdes de grand-mère(おばあちゃんの知恵)」をご紹介する前に、大事な点があるので、それを先にお伝えします。
マルセイユ石けんについては、残念ながら、たとえマルセイユで買ったものであっても、そのほとんどはニセモノです。
実は本物の「savon de Marseille(マルセイユ石けん)」と呼べる石けんを作っているのは、中小企業の4社しかありません。
2026年4月27日の配信、本物を製造するのは4社だけ!ニセモノのマルセイユ石けんに気をつけよう!で具体的な会社名とともにご紹介しているので、詳細はそちらからご覧ください。
またこの4社の製品の中でも、おばあちゃんの知恵で使われているのは伝統的な2種類のマルセイユ石けんで、オリーブオイルが主成分の深い緑色のモノと、パームオイルが主成分のベージュ色のモノです。
衣類の虫よけに石けん!
では、本物のマルセイユ石けんが用意できたら、虫よけのやり方は簡単です。
衣類の入っているクローゼットやタンス・引き出しに石けんを入れておくだけだからです。
衣類をかじる虫というのは、コットンやリネン・シルク・ウールなどの天然素材が大好きなので、こうした素材の服を中心に虫よけが必要です。
洋服に直接触れないように、薄いコットンかリネンの袋、またはハンカチで包みます。
洗ってあれば、使い古したモノで構いません。
季節外れのモノをしまう時には、ケースの中に石けんを1つか2つ。
引き出しの中も同様にします。
洋服ダンスには、ハンガーをかける棒に袋入りの石けんもつるすか、洋服の下側に置いておきます。
ニオイについて
なお、本物のマルセイユ石けんは無香料ですが、原料のにおいは多少します。
衣替えの際にケースから出すと臭う場合もありますが、ハンガーにつるしたりしてしばらく風に当てると、気にならなくなります。
もしくは、ラベンダーの小袋などと一緒に入れておくという手もあります。
効果は?
さて、肝心の効果についてですが、私自身は石けんをクローゼットに入れるようになって以降、虫食いに悩まされたことはありません。
それまではコットン100%のお気に入りのワンピースが被害にあったりしていたので、やはり効果はあるのだろうと思っています。
偉大だったおばあちゃん
ただしある日、知り合いのお宅でかなり印象的な光景を目にするまでは、マルセイユ石けんの防虫効果には半信半疑でした。
その方のお母様はしばらく前に亡くなったそうなのですが、物置として使っている屋根裏部屋に、クローゼットが残されていました。
そのクローゼットを開けて見せてくれたのです。
すると中には、かなり厚手の真っ白なシーツが20枚ほども、うず高く積まれていました。
高級ホテルなら使っているかもしれないと思われるような上品な刺繍つきの、間違いなくコットン100%の、立派なシーツでした。
亡くなったお母様はかなり几帳面な方だったようで、ビシッとアイロンがかけてあります。
そしてそのシーツの傍らには、私が愛用しているのと同じメーカーの、ベージュ色のマルセイユ石けんがいくつかならべてありました。
断熱工事をしていない古い家なので、屋根裏部屋の夏は暑く、冬は寒いはずです。
そうした場所におそらく数年以上も放置されていたのに、コットン100%のシーツは、相変わらずきれいなままで積まれていました。
ベージュ色のマルセイユ石けんは、もしかしたら10年ほどもそのまま置かれており、乾燥してしまったせいで、さすがに角が少々欠けていました。
それでも大きく崩れたものはなく、しっかりシーツを虫食いから守っているようでした。
亡くなったお母様は、90歳近くまでお元気で、毎日の家事をされていたとのこと。
「les remèdes de grand-mère(おばあちゃんの知恵)」はやはり、偉大でした!

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