【フランス語のフレーズ】弁護士が言ってはいけない言葉とは?

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実例あり!

先日(2025年2月10日)配信のブログ・ポッドキャスト【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】の第382回で、「Faites-moi plaisir…」というフレーズをご紹介しました。

これによく似ていて、一部の弁護士さんや営業マンなどが口にすることのあるフレーズがあります。

実際に聞いた状況をもとに、ご紹介します。

命令形を使ったお願いとは?

「Faites-moi plaisir.」という言い方は、少々特殊な「命令形を使ったお願い」なのですが、フランス語ではよく使われる表現です。

元になっているのは「faire plaisir à +(人)」という慣用句で、「(人)を喜ばせる」という意味になります。

この慣用句の動詞部分「faire」を命令形にすることで、そして対象となる人を「moi(わたし)」にすることで、「わたしを喜ばせてください」という意味になり、それが「お願いですから」という意味につながります。

詳細は、ブログ・ポッドキャスト【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】の第382回を参照してください。

別の意味のお願い

そして「Faites-moi plaisir.」の「plaisir(喜び/楽しみ)」を代えると、別の意味のお願いになります。

よく知られているのは「Faites-moi confiance.」という言い方です。

「confiance」は「信頼」や「信用」などの意味の女性名詞です。

なので、

  • Faites-moi confiance.

(わたしを信用してください)

という意味になります。

ここでも命令形の動詞「faites」が使われているので、日本語の「お願いします」のように謙虚な言い方ではありません。

どちらかと言うと、「(あなたに損はさせませんから)わたしを信用してください」というような、積極性のあるお願い表現です。

必要のないフレーズ

この言い方を仕事上でしやすいのが、冒頭でも触れた、弁護士さんや営業マンです。

ところが、わたしの友人は訴訟に巻き込まれてしまって弁護士を探していた時、最初に会った人にこれを言われて、依頼するのは止めたそうです。

次に会った人は別の人に紹介されたそうで、その弁護士さんはこのフレーズを言わずとも、ぜひお願いしたいと思わせてくれたらしく、本番の訴訟では、なんとたった一言で勝訴したとか。

実力ある弁護士さんは、「Faites-moi confiance.」などという必要がないということです。

私自身も、営業マンのセールストークで「Faites-moi confiance.」と言われた経験がありますが、やはりその人からは買う気になりませんでした。

命令形で挑発や宣言?

「Faites-moi 〇〇.」という言い方は、他にもあります。

まず、「faites」はていねいな命令形なので、「~てください」に相当する表現ですが、これを親しい間柄で使う「fais」にすれば、「~して」「~しろ」という命令形になります。

そしてもちろん「〇〇」の部分を変えることで意味が変わるのですが、必ずしもお願いや依頼になるわけではありません。

その典型的な例が、「恐れ」「恐怖」などの意味の女性名詞「peur」を入れた

  • Fais-moi peur !
    (わたしを怖がらせてみて!)

です。

この場合はお願いや依頼ではなく、状況や言い方によっては、「できるモノならやってみろ!」という挑発になったり、「自分は怖いわけではない」という宣言であったりします。

命令形を使いながらも、必ずしも命令ではないのが、おもしろいところです。

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この記事は、ポッドキャストでも配信しています。 

下のリンクのクリックで該当するエピソードに飛びますので、発音の確認などにお使いくださいね!

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