主語を変えてみよう!
昨日の配信(2025年1月7日)で「風邪ひいちゃった!」の言い方をご紹介しました。
「~てしまった」をフランス語で言う場合には、代名動詞の過去表現が便利です。
今回はいろいろな主語の「風邪ひいちゃった!」をご紹介します。
あらゆるものが変化!
「風邪をひいちゃった」という言い方は、「自分の不注意のせいで風邪をひいてしまった」という意味ですね。
「~てしまった」には代名動詞の過去表現「être +(過去分詞)」を使います。
フランス語は、主語が変われば動詞や再帰代名詞なども変化するので、今回はそのバリエーションを見ていきます。
なお、再帰代名詞や代名動詞については、このシリーズの第140回などでご紹介しています。
「(わたしは)風邪をひいちゃった」
昨日ご紹介した「風邪ひいちゃった」は、主語が「わたし」でした。
- Je me suis enrhumé.
(私は風邪をひいちゃった)
ただし、この言い方は「わたし」が男性の場合です。
「わたし」が女性なら、「enrhumé」の語尾に「e」がつきます。
- Je me suis enrhumée.
(私は風邪をひいちゃった)
語尾に「e」がついても発音は変わりません。
なお、女性形になることがあるので、次のように表記されることがよくあります。
- Je me suis enrhumé(e).
(私は風邪をひいちゃった)
男性形ならそのままだけれど、女性形なら「e」がつくという意味です。
単数の「風邪をひいちゃった」
主語を変えると、「être」や過去分詞も変える必要があります。
- Tu t’es enrhumé(e).
(君は風邪をひいちゃった)
「être」の2人称単数形「es」は母音で始まるので、再帰代名詞の「te」が「t’」になります。
「君」が女性なら、「enrhumé」の語尾に「e」がつきます。
- Il s’est enrhumé.
(彼は風邪をひいちゃった) - Elle s’est enrhumée.
(彼女は風邪をひいちゃった)
3人称単数の「il(彼)」「elle(彼女)」はどちらの再帰代名詞も「se」です。
ただし「être」の3人称単数形「est」も母音で始まるので、「se」が「s’」になります。
複数の「風邪をひいちゃった」
主語が複数だと、「enrhumé」の語尾に「s」がつきます。
- Nous nous sommes enrhumé(e)s.
(私たちは風邪をひいちゃった)
「nous(わたしたち)」の再帰代名詞は「nous」なので、「nous」が2回続きます。
「わたしたち」が女性だけの場合には「enrhumé」の語尾に「e」がつきますが、その場合は「s」の前になります。
- Vous vous êtes enrhumé(e)(s).
(あなた(たち)は風邪をひいちゃった)
「vous」の再帰代名詞は「vous」なので、「nous」同様「vous」が2回続きます。
「vous」には単数(あなた)・複数(あなたたち)の両方の場合があります。
「vous」が男性1人の場合には、「enrhumé」の後に何もつきません。
「vous」が女性1人の場合には、「enrhumé」の語尾に「e」がつきます。
「vous」が複数で、うち1人でも男性がいれば、「enrhumé」の語尾に「s」がつきます。
「vous」が複数で、女性だけなら、「enrhumé」の語尾に「es」がつきます。
- Ils se sont enrhumés.
(彼らは風邪をひいちゃった) - Elles se sont enrhumées.
(彼女たちは風邪をひいちゃった)
3人称複数の「ils(彼ら)」「elles(彼女たち)」はどちらの再帰代名詞も「se」です。
再帰代名詞に関しては、3人称は単数・複数ともすべて「se」です。
「彼ら」の場合は、その中に女性がいても、「enrhumé」の語尾に「s」がつきます。
「彼女たち」の場合は、男性がいないので、「enrhumé」の語尾に「es」がつきます。
複雑だけど…
単に「風邪をひいちゃった」と言うだけなのに、なんとバリエーションの多いこと!
こうした説明を聞いたり読んだりしていると、複雑でイヤになりませんか?
フランス語はロジックが大切な言語なので、本当にやっかいです。
でも発音は、語尾に「e」や「s」がついても同じです。
フランス語ネイティブを見ていると、発音が変わる箇所で間違える人はまずいませんが、発音に関係のない語尾の「e」や「s」をつけ忘れる人はたくさんいます。
なので、私たち外国人が少しぐらい間違えたって、大丈夫!
まずは、発音に関係するところから覚えましょう!
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