語順ルールが存在!
ブログ/ポッドキャスト【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】第372回で代名詞目的格の語順ルールをまとめたのですが、この回で扱ったのは代名詞が目的語になった場合だけでした。
2種類ある目的語のどちらかが代名詞であったり、どちらも代名詞ではないなど、条件によって語順は変化します。
条件ごとの語順ルールをまとめます。
「目的語の語順ルール」と聞いても、ピンと来ない方が多いかもしれません。
というのも、日本語は比較的語順が自由な言語で、主語や述語以外は簡単に語順が入れ替えることができますし、意味が大きく変わることもありません。
日本語なら「わたしは君にそれをあげる」というフレーズを「わたしはそれを君にあげる」にすることができますし、意味が大きく変わることもありません。
さらに言えば、ニュアンスは変わるものの、場合によっては、主語や述語さえも移動できるのが日本語であり、語順という面での自由度がかなり高いのです。
これほど自由な言語である日本語のネイティブには、語順にルールがあるということ自体が不思議でもあります。
その点、フランス語にはかなり縛りがあります。
フランス語では、前述の「わたしは君にそれをあげる」というフレーズを「わたしはそれを君にあげる」という語順にすることはできないからです。
このフレーズの「君に」の部分が間接目的語、「それを」の部分が直接目的語ですが、この場合は必ず「君にそれを」という語順になると決められており、逆にすることはできません。
そのうえ、「君に」「それを」はどちらも代名詞の目的格ですが、どちらか1つでも個人名になったり、具体的なモノの名前などになって代名詞ではなくなると、さらに語順が変わります。
冒頭で触れた【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】第372回で、すでに代名詞目的格のみの場合の語順ルールを扱っていますので、今回ご紹介するのは次の3タイプです。
- 直接目的語のみ代名詞である場合
- 間接目的語のみ代名詞である場合
- 代名詞を使用しない場合
- 直接目的語のみ代名詞である場合
直接目的語が代名詞で、間接目的語が名詞の場合、語順は以下のようになります。
語順:
主語 + 代名詞 + 動詞 + à + 名詞
例文:
- Je le donne à Marie.
(わたしはそれをマリーにあげる) - Nous les montrons à nos amis.
(わたしたちはそれらを友人たちに見せる)
- 間接目的語のみ代名詞である場合
間接目的語が代名詞で、直接目的語が名詞の場合、語順は以下のようになります。
語順:
主語 + 代名詞 + 動詞 + 名詞
例文:
- Je lui donne le livre.
(わたしは彼にその本を渡す) - Nous leur montrons les photos.
(わたしたちは彼らに写真を見せる)
- 代名詞を使用しない場合
目的語がどちらも名詞の場合、語順は以下のようになります。
語順:
主語 + 動詞 + 直接目的語 + à + 間接目的語
例文:
- Je donne le livre à Marie.
(わたしはその本をマリーに渡す) - Nous montrons les photos à nos amis.
(わたしたちは写真を友人たちに見せる)
目的語の語順まとめ
3つのタイプをまとめます。
目的語の種類 | 語順 |
直接目的のみ代名詞 | 主語 + 代名詞 + 動詞 + à + 名詞 |
間接目的のみ代名詞 | 主語 + 代名詞 + 動詞 + 名詞 |
代名詞を使用しない | 主語 + 動詞 + 直接 + à + 間接 |
この記事を音声で聞くなら
この記事は、ポッドキャストでも配信しています。
下のリンクのクリックで該当するエピソードに飛びますので、発音の確認などにお使いくださいね!
コメント