日本では古臭い!?
日本語でフランスというと、料理の他にファッションや芸術を思い浮かべる人が多いのでは?
ただし、かなり昔から定着してしまったせいで、近年では古臭いと敬遠される言葉もある始末。
でも、フランスではよく使われる単語が多く、覚えて損はありません!
boutique ブティック
在住者としては少し悲しいのですが、日本では古臭いと思われるようになった「ブティック」は、「boutique」というフランス語由来です。
日本語の「ブティック」は「(洋服を扱う)店」で、現在の「(セレクト)ショップ」に当たりますが、フランス語の「boutique」は「(大規模ではない)小さい店」という意味です。
日本語と違い、洋服のお店だけではありません。
concours コンクール
「コンクール」と聞くと、音楽や絵画などの芸術関係、または料理などの競技会だと思われるでしょう。
フランス語の「coucours」も、その意味で使われますが、「協力」「手助け」「競争試験」「入学試験」などの意味でもよく使われます。
「concours de 〇〇」で、「○○(学校名)の入学試験」です。
mannequin マネキン
「マネキン」というと、売り物の洋服を着せたものを思い浮かべる人が多いと思いますが、こちらも「ブティック」同様、言い方が変わりつつあるようです。
この「マネキン」の元になったフランス語は「mannequin」で、この言葉の英語読みが「マネキン」として日本語になったようです。
フランス語の「mannequin」にも日本語の「マネキン」と同様の意味を含みますが、圧倒的に多く使われるのは、職業の「モデル」です。
他に有名なものとして、ベルギー・ブリュッセルの「Mannequin-Pis(小便小僧)」がありますね。
rouge ルージュ
日本語の「ルージュ」は「口紅」のことですが、フランス語の「rouge」は色としての「赤」という意味です。
なお「口紅」に当たるフランス語は「rouge à lèvres」です。
「lèvres」は「くちびる」のことなので、日本語の口紅と同じですね。
crayon クレヨン
「クレヨン」と言えば、小さな子供がお絵描きに使うものですよね?
元になったフランス語の「crayon」は、「鉛筆」という意味です。
「crayon」とだけ言えば「(筆記用の)鉛筆」なのですが、色鉛筆が「crayons de couleur」なので、「(色鉛筆ではない)黒い鉛筆」という意味を込めて「crayon gris」とも言われます。
「noir(黒)」ではなく、「gris(グレー)」なのです。
では、お絵描き用の「クレヨン」をフランス語で何と言うかというと、「crayon de cire」または「craie de cire」です。
「cire」は「みつろう」や「ワックス」のこと、「craie」はそのまま使うと「チョーク」のことです。
surréalisme シュール
「シュールな景色」「シュールな笑い」「シュールすぎる」のように使われる「シュール」とは、「超現実」「奇抜」という意味で使われています。
でもこの「シュール」という言葉は、発音に気をつけてフランス人ネイティブに言っても、日本の事情を知らない人には、決して「超現実」まして「奇抜」という意味では、わかってもらえないでしょう。
元のフランス語は「surréalisme」で、「超現実主義」と訳される、20世紀前半に始まった文学や芸術運動のことです。
「sur」は「~の上に」、「réalisme」は「現実感覚」「写実主義」という意味です。
なので、「surréalisme」の「sur」の部分だけを切り取っても、「~の上に」という意味にしかならないのです。
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