形状によるまとめ
フランス語では、名詞の後ろに「-ette」とつけて「小さな〜」などの意味を加えることがあります。
そのため、元は「小さな〇〇」という意味だったのですが、それが新たなモノの名前になったり、種類を表すようになったりしています。
語源を知ることで覚えやすくなり、ラクに単語を増やせるようになります。
第2回目は、ファッションにまつわる「-ette」のつく単語をまとめてみました。
外来語になった例
2025年8月29日の【フランス語のフレーズ】意味が狭まった外来語⑯バレッタという配信で、日本語で
はほぼ「髪留め(ヘアアクセサリー)」としてのみ使われている「バレッタ」の元になったフランス語「barrette」が、髪留め以外にも「小さな棒状のアクセサリー」「部品として機能する小さな棒状のモノ」」として使われているとご紹介しました。
「barre(棒・横棒)」に「-ette」がついた「barrette」には、「小さな棒」という意味があるからです。
名詞の後に「-ette」をつけることによって「小さな~」という意味が加わった単語は、その形から新たな意味を持つことになったのです。
外来語以外の例
こうした例は、もちろん日本語に外来語として取り入れられた単語だけではありません。
2025年9月1日の【マンガ・アニメのフランス語】擬音語①claqueとclacという配信では、比較的大きな音を表す擬音語である「claque」が、日本語の擬音語「(平手打ちの)バシッ!」や「(ドアの閉まる)バタン!」のフランス語訳として使われることが多いとご紹介しました。
そして擬音語の「claque」に「-ette」がついた「claquette」は、擬音語の持つイメージから新たな意味を持つことになりました。
それは、履いて歩くと音が「パタパタ」「ペタペタ」と鳴る、屋外用のサンダルの名前です。
かかとに留め具のないスリッパ型ですが、つま先が開いているシャワーサンダルのようなものです。
これが「claquettes」と呼ばれるようになりました(サンダルや靴などは、複数形が使われます)。
なお、鼻緒のついているビーチサンダルには別の名前があるので、通常「claquettes」とは言いません。
- claque(比較的大きな音を表す擬音語)→ claquettes(サンダルの名前)
使用例
「barrette」「claquettes」の使用例を挙げておきます。
- Elle met une barrette dans ses cheveux.
(彼女は髪にバレッタをつけている)
→ barrette「髪留め(ヘアアクセサリー)」
- Il marche en claquettes.
(彼はサンダルで歩いている)
→ claquettes「(サンダルの名前)」
「claque」がよく使われる擬音語なので、「claquettes」という単語には、どうしても「パタパタ」「ペタペタ」という音のイメージがついて回ります。
そのため、この例文の「il(彼)」が小さな子どものような気がするのは、こうしたイメージのせいかもしれません。
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