意味の広がりや違いを感じよう!
日本で広く使われている外来語には、フランス語由来のものが少なくありません。
外来語があることでフランス語の単語が覚えやすくなる反面、本来の意味が抜け落ちたり、変わってしまうことすらあります。
外来語・元の単語の両方を知って、意味の広がりや違いを感じてください。
第6回目は、「マネキン」です。
日本語の「マネキン」
日本語では「服を着せるディスプレイ用の人形」という意味で使われる「マネキン」。
他のファッション用語同様、かなり古くから使われているフランス語由来の外来語です。
- マネキン「服を着せるディスプレイ用の人形」
フランス語の「mannequin」
それに対し、フランス語で「mannequin」と言えば、まず思い浮かぶのは「ファッションモデル」という意味です。
実際に服を着て見せる職業名として一般的です。
さらにフランス語の「mannequin」には、日本語の「マネキン」同様、「服を着せるディスプレイ用の人形」としての意味もあります。
日本語には、こちらの意味だけが伝えられたということですね。
なお、「モデル」に近い発音のフランス語もあるのですが、「ファッションモデル」という意味で使われることはありません。
フランス語の「mannequin」の使い方をまとめると、
- mannequin①「ファッションモデル」
- mannequin②「服を着せるディスプレイ用の人形」
ということになります。
いろいろな「mannequin」
「mannequin」の例文を挙げておきます。
- Elle est mannequin pour une grande maison de couture.
(彼女は大手ファッションブランドのモデルだ)
→ mannequin①「ファッションモデル」
- Un mannequin en plastique dans la vitrine.
(ショーウィンドウのプラスチック製マネキン)
→ mannequin②「服を着せるディスプレイ用の人形」
などがあります。
職業名としての「マネキン」?
ところで、外来語の「マネキン」が、かつては「服を着せるディスプレイ用の人形」としてだけでなく、人に対しても使われていたことをご存じの方がいらっしゃるかもしれません。
現在の「アパレルスタッフ」や「ショップスタッフ」のような、「服の販売員」という意味で使われていたのです。
ただしフランス語の「mannequin」には、販売員の名まえとしての意味はなく、職業の名まえとしての使い方の場合は「ファッションモデル」に限定されます。
元の単語「mannequin」の「ファッションモデル」「人形」という2つの意味のうちの「人形」だけが輸入されて「「マネキン」となり、それが独自に発展して「販売員」という別の意味を生んだという、おもしろい例ですね!
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