意味の広がりや違いを感じよう!
日本で広く使われている外来語には、フランス語由来のものが少なくありません。
外来語があることでフランス語の単語が覚えやすくなる反面、本来の意味が抜け落ちたり、変わってしまうことすらあります。
外来語・元の単語の両方を知って、意味の広がりや違いを感じてください。
第43回目は、「モダン」です。
日本語の「モダン」
日本語の「モダン」はフランス語由来の外来語です。
ただし発音は英語に近く、語源がフランス語であることは間違いありませんが、英語を経由して日本語の外来語になったとも考えられます。
「モダン」は、「モダンなデザイン」「モダン建築」のように使われ、西洋風・都会的、洗練されている、現代的・古風ではないといった意味があります。
- モダン①「西洋風・都会的」
- モダン②「洗練されている」
- モダン③「現代的・古風ではない」
フランス語の「moderne」
フランス語の「moderne」は、「今の時代に属している」という意味で使われます。
基本は時間的な位置づけのみで、和訳は「現代」または「近代」になることが多いです。
日本語の「モダン」とは違い、洗練されている・おしゃれであるといった価値判断は含まれません。
なおフランス語の「moderne」は、使い方によっては「新しい考え方・方法」を表すこともありますが、この場合でも価値判断は含みません。
フランス語の「moderne」の使い方をまとめると、
- moderne①「現代」
- moderne②「近代」
- moderne③「新しい考え方・方法」
ということになります。
いろいろな「moderne」
「moderne」の例文を挙げておきます。
- La médecine moderne progresse vite.
(現代医学は急速に進歩している)
→ moderne①「現代」
- Cette maison est moderne et élégante.
(この家は現代的で、しかも上品だ)
→ moderne①「現代」
- C’est une méthode moderne.
(これは新しい方法だ)
→ moderne③「新しい考え方・方法」
などがあります。
意味が広がっている?
上記2番目の例文「Cette maison est moderne et élégante.(この家は現代的で、しかも上品だ)」は、外来語の「モダン」を使えば、ただ単に「この家はモダンだ」ですみます。
「モダン」には「現代的」という意味と同時に「洗練されている」という雰囲気も含まれているからです。
でもフランス語の「moderne」には肯定や否定のような評価が含まれないので、「上品だ」という言葉も加える必要があります。
つまりフランス語の「moderne」は「いつのものか」を表す言葉であって、「ステキかどうか」を言う言葉ではありません。
このシリーズは「意味が狭まった外来語」ではありますが、そしてほとんどの外来語は実際に意味が狭まっているということをこのシリーズを通して見てきましたが、フランス語の「moderne」にはない「洗練されている」という意味が加わったのが外来語の「モダン」です。
外来語になることによって、意味が広がることもあるという例です。

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