意味の広がりや違いを感じよう!
2025年7月16日配信の【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】第418回では「exercice」をご紹介しました。
これは、外来語の「エクササイズ」の元になった単語です。
でも日本語の「エクササイズ」には、「exercice」のごく一部の意味しかありません。
外来語があることでフランス語の単語が覚えやすくなる反面、本来の意味が抜け落ちたり、変わってしまうことすらあります。
外来語・元の単語の両方を知って、意味の広がりや違いを感じてください。
その第1回目は、「メニュー」です。
日本語の「メニュー」
日本語で「メニュー」と言えば、すぐに思い浮かぶのはレストランなどで出される「料理の一覧」ではないでしょうか?
そして比較的新しい意味としては、「(コンピュータや家電など)機器の機能一覧」というものもあります。
ここでは仮に、
- メニュー①「料理の一覧」
- メニュー②「機器の機能一覧」
とします。
フランス語の「menu」
日本語の「メニュー」の元になったのは、フランス語の「menu」という男性名詞です。
ただし「menu」には「料理の一覧」という意味はなく、レストランなどの飲食店で使われる「menu」と言えば、「定食」や「コース料理」という意味です。
なお、日本語の「メニュー」の2番目の意味である「機器の機能一覧」は、ほぼそのまま使えます。
こうした意味を整理すると、
- menu①「定食」や「コース料理」
- menu②「機器の機能一覧」
ということになります。
つまり気を付けなければいけないのは、menu①「定食」や「コース料理」の方です。
いろいろな「menu」
レストランなどでよく目にする「menu」としては、
- menu du jour
(本日のコース料理) - menu enfant
(お子様ランチ) - menu à 18€
(18ユーロのコース料理)
などがあります。
注文するときは、
- Le menu du jour, s’il vous plaît.
(本日のコース料理をお願いします) - Je vais prendre le menu à 18€ avec le poulet.
(チキン付きの18ユーロのコースにします)
などと言います。
2つ目のフレーズで「avec le poulet(チキン付きで)」と言っているのは、メイン料理の選択肢がある場合などです。
メニューを頼んだのに食事が出てきた!?
この「menu」は、フランスのレストランならあるのが当然ですし、一番人気なので、日本語の「メニュー」は、フランスに旅行などで来たら封印してください。
うっかり「メニュー、お願いします」のつもりで、
- Le menu, s’il vous plaît.
(コース料理をお願いします)
などと言ってしまったら、コース料理を注文したと思われても仕方がありません。
「メニューを頼んだのに食事が出てきた!?」なんて失敗をしないためには、
- La carte, s’il vous plaît.
(メニューをお願いします)
と言いましょう。
ちなみに、「à la carte」だと「単品料理」の意味になるので、恥ずかしがらないでハッキリ言うのがコツです!
この記事を音声で聞くなら
この記事は、ポッドキャストでも配信しています。
下のリンクのクリックで該当するエピソードに飛びますので、発音の確認などにお使いくださいね!
コメント