若者言葉から昇格した略語
フランス語で話していると、仏和辞書などには載っていないような言葉も耳にします。
元は若い人たちが仲間内で使っていた略語などがほとんどですが、時間とともに社会的にも認知されて、多くの人が使うようになった言葉です。
かしこまった場では使わなくても、仲の良い同僚となら使う程度の略語や派生語などを中心にご紹介します。
今回はその第19回目「asso」です。
「asso」とは?
「asso」とは、「association」の略で、「協会」や「団体」という意味です。
元の単語「association」が女性名詞なので、「asso」も女性名詞として扱われます。
なお「association」には「提携」「協力」「結びつき」といった別の意味もありますが、略語の「asso」に「協会」や「団体」以外の意味はありません。
使用例
「asso」を使ったフレーズには、次のようなものがあります。
- Je fais partie d’une asso caritative.
(慈善団体に所属している)
「asso」は女性名詞扱いのため、女性形の冠詞がついて「une asso」になり、後ろについている形容詞「caritatif(慈善的な)」も女性形の「caritarive」になっています。
フランスの「association」について
ところで日本人の感覚からすると、その中で働いているわけでもないのに、協会や団体に所属するというのは、奇異なことに感じてしまうかもしれません。
災害時のボランティア活動でさえ、1995年が災害ボランティア元年と言われたぐらいなので、ボランティア活動の経験が全くない人が多いのではないでしょうか?
それに比べ、フランスの「association」には100年以上の歴史があり、日本の協会や団体などとは比較にならない規模です。
「association」の規模
2023年7月1日から2024年6月30日までの、1年間の具体的な数字を見てみます。
- 1年間に7万3000以上の association が新設
- 2024年現在、150万の association が活動中
- うち15万4000の association が190万人を雇用
- フランスの給与所得者の8.9%は association に勤務
つまり、フランスのサラリーマンの10人に1人に近い人が15万4000の「association」で働いているのですが、ボランティアだけで運営されている組織は、届け出されているものだけでも、その10倍近く存在しているということです。
歴史や数だけでなく、活動の内容も本当にさまざまな「association」が、フランス社会の一画を担っているのは確かです。
趣味のサークル活動に近いものから、全国組織になっている消費者団体や環境団体まであり、政府に積極的に働きかけて、意見を政治に反映させていたりもします。
フランス人にとって、ボランティア活動は特別なことではないのです。
「association」とフランス語学習
先ほどのフレーズ「Je fais partie d’une asso caritative.(慈善団体に所属している)」を日本で言ったら、相手に自分にはできないことをしていると思われて「すごい」「偉い」と言われかねません。
でも相手がフランス人ならボランティア活動に抵抗がないので、その団体が良さそうなら、自分も参加してみてもいいかもしれないと考える人が多いでしょう。
フランス人にとって身近な「asso」は、もしあなたがフランス在住で、もっとフランス語で話せるようになりたいと思っているなら、とても役立つ場でもあります。
2025年1月3日に配信を予定している回では、なぜ「asso」でフランス語が上達するのか、また初めての場合の探し方などについてお伝えするつもりです。
来年の配信も、これまでと変わらず、日本時間の月~金曜日朝に予定しており、明日元日もお届けします。
どうぞよいお年を!
そして来年もよろしくお願いします!
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